「暑さで寝苦しい」人は多いのに…4人に1人が睡眠時に「エアコンを使用していない」

まいどなニュース まいどなニュース

今年も熱帯夜が多く、暑くて眠れない夜が続いている人も多いのではないでしょうか。全国の20~60代の男女551人に夏の睡眠時のエアコン利用について聞いたところ、「暑さで寝苦しいことがある」と回答した人は約7割だった一方で、4人に1人が睡眠時に「エアコンを使用していない」と回答したそうです。

パナソニック株式会社が2022年7月に「2022年 夏の睡眠時のエアコン利用に関する調査」と題して実施した調査で、男性275人・女性276人に聞きました。

はじめに、今夏の睡眠状況について「暑さで寝苦しいことはありますか」と聞いたところ、「頻繁にある」(14%)と「時々ある」(56%)を合わせて70%の人が寝苦しさを感じていることがわかりました。また、「睡眠全体への満足度」についても、「全く満足していない」(15%)と「あまり満足していない」(39%)を合わせて54%の人が睡眠に満足をしていないという結果になったそうです。

さらに、「睡眠を妨げる要因」については、「暑さ」(70%)、「湿気」(51%)、「ストレス」(31%)、「寝具との相性」(16%)と続きました。これを昨年の調査結果と比較すると、「ストレス」(54%)、「暑さ」(44%)、「寝具との相性」(28%)、「湿気」(23%)が上位となっており、暑さ・湿気に睡眠を妨げられている方が約30%上昇していることがわかったそうです。

続いて、「今夏の睡眠時のエアコン使用状況」については、「一晩中つけっぱなし」(38%)、「タイマー使用」(30%)と続いた一方で、多くの人が「暑さで寝苦しい」「暑さが睡眠を妨げる」と感じているにも関わらず、25%の人が「エアコンは使用していない」と回答していました。

なお、パナソニックエオリアユーザーデータからは、夜中に30℃を超えるような熱帯夜の日、深夜2時~5時の間にエアコン操作を行っているユーザーが65%にものぼることが判明したといいます(2020年7月15日~8月31日、 2021年7月15日~8月31日の夏時期、0時の外気温30度以上の日)。厳しい暑さの夜、多くの方が睡眠中に暑さや寒さを感じて目を覚まし、エアコンのオン・オフ、設定温度の変更などを行っていることがうかがえたといいます。

   ◇  ◇

夏にエアコンを上手く活用し快眠できるコツついて、睡眠改善インストラクター(日本睡眠改善協議会認定)の資格を持つ菊地真由美さんは、以下のように述べています。

▽エアコンは寝室に入る30分前にON、上に向けて風をあてておく

一般的には、室温26~28℃が心地よく眠れる環境だといわれていますが、温度同様に重要なのはエアコンを運転させるタイミング。ついやりがちな間違いが、布団に入ったタイミングでスイッチを入れること。日中に室内に溜め込んだ熱が、夜になっても天井や壁にこもっているため寝るタイミングでエアコンをつけても、室温が下がるまでに時間がかかることがあります。寝室に入る30分前にエアコンをONにし、上に向けて風をあてておくのが、効率よく良い睡眠環境を作るコツです。

▽タイマーは設定せず、設定温度は26度~28度に

快適な寝室環境を保つには、冷房モードで設定温度を26~28℃にするか、除湿モードに。特に熱帯夜は途中で運転を停止する設定にはせずに、冷えすぎない温度で朝までつけっぱなしにしましょう。途中で運転を停止してしまうと、その後室温が上がると共に寝苦しくなり途中で目覚めてしまう原因になります。
理想は、就寝中も寝室の温度をコントロールすること。就寝前は少し温度を下げることで深部体温を下げ、就寝中は温度を下げすぎず、目覚めに向けて少しずつ温度を上げることです。そうすることで、快適に就寝でき、さらに目覚めがよくなります。

▽湿度は60%以下に保つ

夏場は湿度が高くなりやすく、寝苦しくなりがちです。湿度が高すぎると、途中で目覚めてしまう原因にもなります。夏場は、寝室の温度だけでなく湿度にも注意しましょう。寝室の湿度は60%以下に保つことが重要です。湿度が高い時はエアコンの温度を下げる、または、エアコンを除湿運転する、といった対応をおすすめします。

▽扇風機との併用使いのすすめ

エアコンの風が苦手という人は温度を下げすぎてしまっていることも考えられます。エアコンの温度設定は下げすぎず、ただ、どうしても室温が高くて寝入りが悪いという人は、扇風機を併用することもお勧めです。その際は、表面に太い血管の通っている足首あたりに風を当てると深部体温が下がりやすく寝入りが良くなります(※風を長時間体に当てないでください。健康を害することがあります)。

▽寝る1時間前までにバスタブで入浴、温度は夏でも38~40℃

深部体温をスムーズに下げるためには、反動を利用するのがコツ。意外と大切なのがバスタブに浸かって入浴することです。夏でも38~40℃のお風呂に、10~20分ほどつかるのがおすすめ。入浴することで深部体温は約0.2~0.3℃上がるといわれており、一度上がった深部体温は反動で下げようとする体の性質があり、この落差が寝入りやすさにつながります。
上がった深部体温は約1時間ほどかけて徐々に下がり、この時に眠気が高まるのでタイミングを逃さず布団に入れるように、入浴時間を調整してみましょう。また、深部体温を下げるために入浴前から寝室とリビングをエアコンで快適な温湿度にしておくこともポイントです。

夏場はシャワーだけという場合でも、足首・手首・首の後ろなど太い血管が通っている部分に合計5分ほど少し熱めのシャワーを当てることで、効率よく深部体温を上げることができます。夏はシャワーしか浴びない、という人はお湯を当てる位置と時間を意識してみましょう。

▽リビングや浴室の照度は控えめに

夜間は目から入る光の量が減るほど、睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されやすくなります。入浴前に、リビングの照明をリラックスできるオレンジ色などにしておきましょう。また、浴室内は天井も低く、照明器具が目に近いところにあるため、入浴時に浴室の電気が明るい場合は、照明を消して脱衣所の灯りだけにするか、浴室用の防水間接照明を利用するのも効果的です。ただし、照度を落とす場合は十分に周りに気をつけてください。

▽パジャマはゆったりとした長袖・長ズボンが理想的

質の良い睡眠のためにパジャマは大きな役割を果たします。睡眠中には、コップ一杯の汗をかくといわれています。大量の汗をかくことで、背中と敷き布団の間の湿度が高くなり寝苦しさを感じるため、しっかり汗を吸ってくれる綿やシルク製のパジャマの着用がおすすめ。
夏には「半袖・半ズボン」という人も多いですが、寝具から出た手首や足首に直接冷気が当たり体を冷やし過ぎてしまい、快眠が妨げられてしまうことがあります。また、全身にかく汗を吸収するためにも、夏でもゆったりとした長袖・長ズボンが理想的です。

▽在宅勤務の人は「入眠儀式」を意識すべし

寝入りを良くしてぐっすり眠るためには、『入眠儀式(ルーティン)』というものも大切です。寝る前に習慣的に同じことをすることによって、脳が『これから寝るんだ』というモードに入り、より眠りやすくなります。
例えば、部屋着と寝間着が同じでそのままベットや布団に入るという人は、寝間着を別に用意しておくのがおすすめ。部屋着から寝間着に着替えるという『儀式』を行うことで、脳のスイッチを切り替えるきっかけにしましょう。
最近では、在宅勤務の人も増えているため、部屋着のまま仕事をしたり、部屋で過ごし、そのまま寝ている人もいるかもしれません。そうなると、脳のスイッチが切り替わらずにいつまでも寝られない、ということが起きてしまいます。「在宅勤務になってから寝付きが悪くなった…」など、睡眠に関する不調を感じる人は、この『入眠儀式』をつくってみると良いかもしれません。

   ◇  ◇

【出典】
▽パナソニック「エオリア」調べ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース