連日の30度超えでエアコンをフル稼働させていますが、毎回リモコンを手に悩むのは設定温度です。環境省が2005(平成17)年から地球温暖化対策のための「クールビズ」で推奨する数字は「冷房時の室温28度」ですが、この数値はエアコン本体の設定温度ではなく室温のこと。リモコンで28度に設定しても、建物の環境などにより室温は28度にはならないケースがあります。そこでエアコンメーカー「株式会社コロナ」(本社、新潟県三条市)に室温を28度に近づける方法を聞きました。
「室温の高低は起こり得る」
──室温を28度に設定するには、エアコン本体の温度設定は何度がいいのか。
「室温を28度にする方法ですが、一概に『設定温度を何度にするといい』とは言えません。エアコンの設定温度は、エアコンについている温度センサーを使って制御しています。したがって、エアコンがある場所(設定温度を計測している場所)と自分がいる場所の距離がある場合、設定温度よりも室温が高い、低いということが起こり得ます」
──ということは、部屋の温度計を見ながらの調整が必要ですか。
「エアコンは設定温度に達すると運転を弱め、室温が上昇すると運転を強めるため、一時的に室温が設定温度よりも上昇することがあります。なので、おっしゃるように自分の近くの温度計を見ながら温度設定をしていただくのがいいです。加えて、エアコンの風がよく当たる場所とそうでない場所とでは温度に差が生じるため、サーキュレーターなどを使用し、空気をかき混ぜ室温のムラを解消させることをおすすめします」
寝苦しい夜のエアコンは「除湿運転」
同社では寝苦しい夜のエアコンは、冷房運転よりも除湿運転を推奨しています。
──なぜ除湿なのか。
「冷房で室温を28度に設定する方法も考えられますが、冷房運転は冷房することを重視するため、除湿より風量が強くなり、睡眠中に喉を痛めやすくなることに注意が必要です。その点、除湿は弱冷房により除湿をするので、ゆっくり温度を下げることができ風量も弱いことから喉を痛めにくいというメリットがあります。湿度が下がり、寝汗を乾かし、寝苦しさが軽減するとともに、室温を28度に設定することで体温を冷やしすぎません」
──電気代に差はあるのか。
「除湿は通常の冷房よりも圧縮機出力や風量などを小さくして冷房能力を抑え、除湿を優先した運転となるため、冷房よりも消費電力が少なく電気代も安くなります」
同社担当者は「就寝前に冷房運転でお部屋を冷やしておくとより快適に就寝することができると思います。除湿は冷房能力が弱いので、寝る少し前から冷房で寝室を28度に冷やしておき、寝るときに除湿運転に切り替えることをおすすめします。除湿運転と冷房運転を効果的に使い分けて、暑い夏を乗り切りましょう」と呼びかけました。