「濃厚接触者に待機を求める理由」を改めて考えてみる 第7波と向き合う<後編>

「明けない夜はない」~前向きに正しくおそれましょう

豊田 真由子 豊田 真由子

抗原検査キット

上述したように、濃厚接触者が2日目と3日目に陰性であれば、待機解除ができるということにはなりましたが、感染者急増を受け、抗原検査キットが品薄である状況下では、本来は、深刻な症状のある方の治療方法の確定のためなど、検査の必要性の高い方をまず優先すべきであり、「念のため」や「待機解除のため」に頻繁に検査を行うことが望ましいとはいえない状況も出てくるだろうと思います。(なお、国から無料配布されることになった抗原検査キットに関しては、濃厚接触者の待機解除のためには使用しないこととされています。)

市中感染が増大した状況下では、「無症状の人含め感染者をできるだけ発見して、隔離して感染拡大を防ぐ」という手法の効果やメリットも減じてきます。

一方、「帰省などで高齢者に会う前に、検査をすること」を推奨しているということもありますので、重症化リスクの高い方を守るという観点がひとつの指標にはなると思います。

なお、市販されている抗原検査キットの中には、国が承認をした「体外診断用医薬品」と、性能の確認されていない「研究用」とがあり、前者を使用することが求められます。

◇ ◇ 

「行動制限の無い夏をどう過ごすか」が話題になります。

ただ、行動制限が無いからといって、「何も感染対策をしなくてよくなった」ということではありませんので、マスク、手洗い、密を避ける等の、それぞれの方ができる感染対策は、引き続き行っていただくということになります。

そしてまた一方で、新興感染症の動向も含め、「人類がすべてをコントロールできる」と考えるのは正しくないと私は思います。覚悟と(よい意味での)諦めと希望を持って、前向きに日常を取り戻していくときだと思います。

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