7月、「ヒロポン酢」(360ml、2700円)という名前のポン酢が発売され、「わざとなのか?」とネットをざわつかせました。ヒロポンは1951年まで合法だった覚醒剤の商品名です。商品ラベルはかつて「ヒロポン」として販売された覚醒剤の広告の字体に似ており、「旨さ覚醒」と銘打たれています。ヒロポン酢を開発した「HERO(ヒーロー)」(大阪市)に聞きました。
覚醒剤に寄せた意図「一切ない」
HEROは内職加工業や障害者の就労支援施設を運営しています。
ーーヒロポン酢という商品名の由来について教えてください。
「ヒーローで作ったポン酢、ということで当初ヒーローポン酢という名前にしておりましたが語呂が悪かったためヒロポン酢としました」
ーーラベルの字体や、「旨さ覚醒」という惹句は、かつて「ヒロポン」として流通した覚醒剤に似せているように見えます。
「そのような意図は一切なく、あくまで昭和レトロデザインを追求した結果、あのようなデザインとなりました。SNSで話題となっており、後からヒロポンの容器と見比べて私たちがびっくりしたくらいです」
ーーヒロポン酢の特徴について教えてください。
「徳島県産のユズ、スダチに幻の果実と呼ばれる『柚香(ユコウ)』をふんだんに使い、昭和時代の分厚い釜を使用してゆっくりと温度変化を与え、味に深みを出しました」
「運営する就労支援施設は、精神、身体、知的な障害がある約140人が通所しています。利用者の方々にゼロからモノを作ることで働く喜びを見出してほしいという思いもありました。ポン酢はメーカーに製造を委託し、梱包などを利用者さんに担ってもらっています」
ーーネットで話題になりましたが、売れ行きはいかがでしょうか。
「売れてません(笑)」
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高級ポン酢「ヒロポン酢」は2700円という価格もあってか、売れ行きは苦戦しているそうです。酢を使わず、柑橘(かんきつ)果汁で爽やかな酸味を出したヒロポン酢、興味を持たれた方は販売するヤフーショッピングやBASEをご覧ください。送料無料。