「ステラおばさんのクッキー」包装紙に、謎の「夫の調理法」? よくよく読んでみると役に立つ情報が…隠れていた

福尾 こずえ 福尾 こずえ

ある1枚の包装紙がSNSで話題になっています。それは、全国に60店舗以上ある有名店「ステラおばさんのクッキー」で、量り売りのクッキーを購入したときに入れてくれるオリジナルの包装紙です。

印字された英字をよくよく見ると「How to cook a Husband」の文字。「夫の調理法」? どういうこと? それがなぜクッキーの包装紙に?

気になって、「ステラおばさんのクッキー」を展開する「株式会社アントステラ」の広報担当者に詳しい話を聞きました。

下記、英語で書かれた「夫の調理法」の全訳です。

「夫の調理法」

~材料の選び方~
魚屋でサバやサーモンを買う時のように、表面の色・ツヤなどの見かけだけで判断しないでそれぞれの持ち味を考えて、選ぶこと。人任せにせずに吟味すること。

~作り方~
1. 材料を、「安楽」と呼ばれる強い絹糸で縛り鍋に入れる。この時「義務」と呼ばれる弱い糸で縛ると生物なので、ゆるんで鍋から飛び出し、炎で焼けてしまうこともあるので、気をつけること。

2. 1.の鍋を清らかで落ち着いた「愛の火」にかけ、すがすがしく、ほがらかに煮る。たとえ、ブツブツ、グツグツ言っても気にせずに、静かに見守ること。

3. 「キス」という砂糖を少々入れる。スパイス類は、もしも入れる必要があると思ったら、その量はあなたの判断力が決め手となる。煮えたかどうか、つっついたりせず、やさしくかきまぜ、見つめてあげること。

~注意すること~
せっかく、選んだ良い材料も、イライラした動作や言葉でシチューの様に煮込んでしまったり、ローストしたり、新鮮なままピクルスにしてしまうと、もったいないので、料理法を守って材料を生かすようにすること。使用する鍋は、磁器にこしたことはないが、安物の土器しかないなら、手入れを行き届かせること。

このレシピに忠実に従ってお料理して頂ければ、そして、出来上がった料理を冷たい所においたりさえしなければ、あなたやあなたのお子さんの口にあったおいしいものとなることでしょう。

夫に限らず、人間関係を円滑するたの工夫が盛り込まれたこちらのレシピ。「株式会社アントステラ」のマーケティング部の花見美紀さんに、この包装紙の文面について伺いました。

――この包装紙はいつから使われてますか?

「1982年クッキー事業がスタートした当初からと聞いています」

――この文章の引用元はあるのでしょうか?

「アントステラの創業者であるジョセフ・リー・ダンクルが著した『アーミッシュの贈り物』のなかで、引用元として『アーミッシュ・クックブック』の記載があります。ですが、引用元の本が現在手元にないため、詳細は不明です」

アーミッシュとは、アメリカやカナダに居住するドイツ系移民の人々を指します。現代でも文明の利器に頼ることなく、自給自足で昔ながらの生活様式を守り続ける集団に属する人々です。ステラおばさんが暮らしたペンシルベニア州ダッチカントリーでも、このアーミッシュの教えや知恵が息づいています。

――量り売りクッキーを入れる袋にこの英文を取り入れた経緯を教えてください。

「大変申し訳ございません、経緯は不明です。ですが、アーミッシュの温かい心を紹介する目的があったのかもしれません。創業者著書の『アーミッシュの贈り物』のあとがきに、“アーミッシュの温かい心は現代人が失いかけているもので、憧れのような気がします”と創業者自らが記しています。また、現在はもう配布しておりませんが、以前毎月1回発行していたクッキー紹介のガゼット(新聞)に、ダッチカントリーの紹介も記載し、お客様へお配りしていました」

――この包装紙はクッキー何枚入りからもらえますか?

「量り売りクッキー1枚からこちらの袋にお入れしております。量り売りクッキーは、100種類近いレシピの中より、季節に合わせて毎日15種類前後が登場します。

量り売りだけでしか展開していないクッキーもありますので、いろいろな味を楽しんでいただけます。1枚からでもお気軽にお買い求めください。そのほか、カジュアルなお手土産やかしこまった御挨拶にもご利用いただけるクッキーの詰め合わせギフトも多数ご用意しております」

――改めて「ステラおばさんのクッキー」のコンセプトを教えてください。

「ステラおばさんの言葉を引用させてください。

《いいかい。
クッキーやケーキを作るとき一番大切なのは
オーブンの温度じゃないんだよ。
それを誰かのために作ろうっていう気持ちなんだよ。》

この言葉は、【ウオームハートコミュニケーション】という企業理念として今に受け継がれております。接客からクッキー作り全ての事に、全従業員が大切にしている理念です」

◇  ◇

「ステラおばさんのクッキー」の焼き菓子は、お母さんが子どものために焼くクッキーのように、素朴で優しい味わい。「夫の調理法」にもある通り、大切なのは技術やレシピではなく「相手に対する思いやり」なのでしょう。包装紙には、ほかにも「良き人生の調理法」(公式サイトにて和訳紹介)などがプリントされているので、ぜひご覧ください。量り売りクッキーは好きなクッキーが自由に選べて100g(6~7枚相当)で486円です。

公式Twitterでは、ステラおばさんが商品情報やイベント情報、クッキーを使用したアレンジレシピや店舗紹介も行っています。また、6月21日より、ピスタチオクッキー2種が入ったギフト限定の「ピスタチオクッキーギフト」が新発売。こちらも楽しみです。

■ステラおばさんのクッキー公式Twitter https://twitter.com/auntstella_jp
■ステラおばさんのクッキー公式サイト https://www.auntstella.co.jp/

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