「御堂筋が怖くて走れない卒業生は許しません」ーーこんな自動車教習所が大阪にあると話題です。
1961(昭和36)年設立の「芦原自動車教習所」(大阪市浪速区)。公式サイトに掲載された「よくある質問」を見ると、「御堂筋で教習するって本当ですか?」の質問に対し、回答は「本当です。御堂筋が怖くて走れない卒業生は当社が許しません」。
御堂筋とは、大阪・梅田の交差点「阪急前」からミナミにある「難波駅前」までを結ぶ約4.2キロメートルの愛称。幅員44メートル、本線は最大で8車線あります。インターネットのグーグル検索で「御堂筋 運転」と検索すると「怖い」「難しい」が検索候補として出てくるほど、初心者ドライバーにはハードルが高い区間です。なぜ必修コースにしたのでしょうか。
同教習所の担当者によると、御堂筋での教習は2004(平成16)年、全教習生を対象にスタート。御堂筋といえば、かつては違法駐車の列で走りにくいイメージでしたが、近年は駐車監視員などによる取り締まりが強化され渋滞も徐々に解消。都市部の走行にはうってつけと判断し教習コースに選びました。「御堂筋は大阪のメイン道路です。私どもの教習所からも近いという立地の強みを生かし、教習生の経験や自信になればと特別教習の一環として取り入れました」
しかし教習生にとって難易度は少し高いようで、「交通量も多く、3車線、4車線変更もあるので苦労はされると思います。大阪のドライバーは若干『いらち』(編集部注:短気、せっかちの意)のところもあるので、なかなか車線に入れてもらえなかったり、運転が荒っぽかったり、難しいところはあるようです」。
御堂筋教習を終えた教習生からは「怖かったけど自信がついた」という声があり、効果は上々のようです。
Q&Aの「許しません」は同教習所の愛あるユーモア。担当者も終始おだやかな口調の人でした。同教習所には「上から目線でモノを言う」「性格が合わない」「怖い」などの理由で教習を希望したくない指導員の名前を秘密厳守で連絡できる「ノン指導員連絡制」もあるのでご安心を。