ご用心!室内プールでも熱中症! 水辺で暑さをしのいでいたはずが…救急搬送

長岡 杏果 長岡 杏果

6月30日、東京都心の気温は6月の観測史上1位となる36.4度を記録し、6日間連続の猛暑日となりました。各地で記録的な猛暑が続く中、熱中症への警戒が呼びかけれています。亜美さん(40代・主婦)は昨年の夏、室内プールで過ごしたあと熱中症で救急搬送されました。「炎天下にいたわけでもなかったので、熱中症や脱水症状については考えもしませんでした」とその時のことを振り返ります。

――熱中症になった当日はどこに行きましたか?

子どもとその友だちとお母さんの4人で室内プールに行きました。自宅からも少し離れており、交通の便もなかったのでタクシーで行きました。1時間ほどで帰る予定でしたが、結局4時間もいました。プールにはほとんど入らず、室内プールのベンチに座って子どもたちを見ていました。

――自覚症状はありましたか

ベンチに座っていて、なんとなくだるさを感じていました。立ち上がるとくらくらするので、最初は疲れか、軽い立ちくらみ程度にしか考えていませんでした。プールなので湿度は高かったですが、室内ということもあり熱中症や脱水症状については考えもしませんでした。水分もスポーツドリンクのペットボトルを1本持ち込めば十分だろうと考えました。

――その後、搬送されたのですね

プールの帰りにタクシーに乗ったのですが、すぐに気分が悪くなりました。車酔いをしやすいので最初は「車酔いかな」と思っていたのですが、耐えられなくなったので途中で降ろしてもらいました。降りたその場で倒れ、動けなくなりました。めまい、吐き気、手足の痺れなどが現れ、自力で立ち上がることもできない様子を見て、一緒にいた娘の友だちのお母さんがすぐに救急車を呼んでくれました。

――搬送先での様子を教えてください

搬送先では血液検査と点滴を受けましたが、自力で立ち上がれないままでしたので、入院することになりました。病名は「熱中症」。脱水により低カリウムになっていました。入院中はずっと点滴をつけて生活しました。

個室に入院しましたが部屋のトイレに行くときも、頭がふらふらして起き上がることもままならず、歩いての移動がとても大変でした。せっかく食事を用意していただいても、ほとんど口にすることができませんでした。テレビを見る元気もなく、ただ横になっているだけの毎日でした。

――退院後の体調はいかがでしたか

退院後も体調が優れず、体内には熱がこもり、発熱が続きました。コロナの検査を2回受けましたが結果は陰性でした。医師に言われて毎日経口補水液や水を飲みましたが、脱水状態が続き、再度体調不良で夜中に救急車で搬送されました。搬送先では「脱水」と診断され、点滴を受けました。

実は小さな子どもがいたので、早めに退院したのですが、とても後悔しました。退院するときも自力で歩くことがやっとだったので、看護師さんに言われたようにしっかり回復するまで入院するべきでした。熱中症から回復するまでに私の場合は半年ほどかかりました。熱中症のダメージは思った以上に大きかったです。

   ◇   ◇

昨年の2021年5~9月に全国で熱中症で救急搬送された人は累計4万7877人でした。また、暑さをしのぐはずのプールで熱中症になるケースも相次いでいます。直射日光が当たる屋外プールだけでなく、室内プールで死亡した例もあるといいます。水に入っていると汗をかかないように感じますが、発汗や脱水があるといいます。またプールサイドでの飲食ができない施設もあり、水分補給が少なくなる場合もあるようです。涼しげな水辺でも、こまめに休憩したり、水分や塩分をとるなど注意が必要です。

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