アイドルグループ「KAT―TUN(カトゥーン)」の元メンバーである田中聖容疑者が6月29日夜、千葉県柏市内で覚醒剤を所持していたとして、現行犯逮捕されたと30日、千葉県警柏署が明らかにしたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は当サイトの取材に対し、その背景にある覚醒剤の売人らの動きを解説した。
29日午後3時25分ごろ、柏市内をパトロール中の警察官が柏駅西口駅ロータリー付近で、目をそらすなどした不審な男を発見。職務質問を行なったが、対応しないため、令状を取り身体検査をしたところ、右腰付近の身体とズボンの間に挟まっていた白色の結晶粉末が入っているビニール袋を発見。午後10時32分に覚醒剤取締法違反で現行犯逮捕した。 その〝不審な男〟が田中容疑者で、調べに対して「間違いありません」と容疑を認めているという。
こうした薬物事案の背景はどのようになっているのか。
小川氏は「売人たちは客が薬を欲しくなるタイミングを把握して電話などで誘惑してくる。〝プレゼント〟と称して出所後すぐの者や、裁判後の者には、無料で提供してくるなど、巧妙に薬物の世界に引き戻そうとしてくる」と説明した。
田中容疑者は今年2月、名古屋市内で覚醒剤を所持したなどの疑いで逮捕され、6月20日に名古屋地裁で覚醒剤取締法(使用、所持)違反などの罪で、懲役1年8月(求刑2年)、執行猶予3年の判決を言い渡されたばかりだった。わずか9日後に覚醒剤所持で逮捕された経緯について、小川氏は「今回は裁判が終わったのを見計らってアプローチをかけてきた可能性もある」と売人の動きを推測した。
執行猶予中の身にもかかわらず、再び「所持」で逮捕され、今後「使用」でも立件されると、20日に出た判決の懲役1年8月も加わって、一般的に、実刑判決となる可能性が高いとみられている。
小川氏は「常習性もある」との判断で「実刑2年と1年8月がプラスされることになり、4年前後は入ることになるでしょう」との見解を付け加えた。