虫よけスプレー「殺虫効果」含まれていないのになぜ“効く”? アース製薬「まんべんなく塗りムラなく塗って」

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 梅雨が明け本格的な夏が到来しました。厳しい暑さによる熱中症には気をつけないといけませんが、夏といえば鬱陶しくなるのが蚊などの害虫ですよね。アウトドアなどレジャーでは虫よけスプレーが欠かせませんが、みなさんが普段使う肌に吹きかける虫よけスプレーに「虫が嫌がる成分」や「殺虫成分」が含まれていないことはご存知でしょうか? では、どのような仕組みで虫をよけることができるのでしょうか。アース製薬に聞きました。

 アース製薬によると、日本で『蚊に効く』虫よけ剤に使われている主な成分は「ディート」か「イカリジン」の2種類だそうです。ディートは日本では約60年という長年使用されてきた成分であり、イカリジンは日本で2015年に新規に有効成分として承認されました。

 どちらにも共通しているのは蚊などの吸血害虫の感知能力を撹乱(こうらん)し、吸血行動を阻止する、という効果です。吸血害虫は人間や動物が発する炭酸ガス、温度、湿度、匂いなどを認識して吸血源を感知します。「虫よけスプレーはその蚊の能力を狂わせて、どこに人間がいるのかわからなくさせているのであり、虫よけスプレーの成分を嫌がっているわけではなく、殺虫効果もありません」とのことです。「有効成分がかかっていない部位は刺されてしまうので、使用する際は指と指の間までまんべんなく塗りムラができないように塗り広げることが大切です」(アース製薬)。

 では、なぜ蚊などの吸血害虫は「ディート」や「イカリジン」に撹乱させられるのでしょうか。アース製薬によると「蚊のどの器官に作用しどのように撹乱しているのかは、数々の推測はされているものの、まだ詳しい解明はされていません」とのことでした。

 最後に蚊に刺されやすい人についても聞きました。蚊は人や動物が呼吸によって出す二酸化炭素、体温、汗のニオイ、皮膚のニオイなどを察知して吸血源を探しているので、「体温が高い妊婦さん、赤ちゃん、子どもや、汗っかきの人などもターゲットになりやすいと言えるでしょう」(アース製薬)。「お酒を飲んだ人がよく刺される」などと聞いたことがあるかもしれませんが、呼吸が荒くなっていたり、体温が高くなっていたりするためと考えられます。

 また「黒色の服装だと刺されやすい」とも聞いたことがあると思いますが、具体的には、明るい色と、暗い色の対比を感知して、暗い方の色に寄っていく性質があると言われています。例えば、黒っぽい服装、白と黒のボーダー柄、白いシャツにネイビーのパンツといった、色の対比がはっきりしているコーディネートは、暗い色の部分がターゲットになってしまいます。「蚊に刺されないためには白っぽい色で全身を統一するのがおすすめです」(アース製薬)。

 かゆさだけでなく感染症の危険もある蚊による虫刺され。虫よけスプレーなど正しい使用方法を守り、自分の身を守っていきましょう。

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