京都市北区上賀茂の農家が特産品の京漬物・すぐきを乾燥させた「ドライすぐき」を開発した。見た目も食感もスルメにそっくりだが、かめばかむほど、すぐき特有のうま味や乳酸発酵による酸味が口の中いっぱいに広がる京都ならではの珍味に仕上がった。
すぐき漬けは、上賀茂神社(京都市北区)の社家が発祥とされ、カブの一種「すぐき」と塩だけで漬け込む。乳酸発酵による甘酸っぱさが特徴だ。すぐき菜の栽培、漬物製造を手がける森田良農園の森田良彦さん(74)は、すぐき漬けを袋に詰める際、重さをそろえるために廃棄していた部分を有効活用できないかと考えた。
乾燥により、すぐきのうま味が凝縮されたといい、昆布のような食感の葉や茎の部分は「カリカリすぐき菜」(25グラム、500円)と命名。細切りにしたかぶらは見た目から「すぐき蕪(かぶら)のスルメ」(35グラム、600円)と名付けた。
2年ほど前から、上賀茂池端町の下鴨中通沿いにある直販店「おいでやす」などで販売しており、評判は上々という。森田さんは「試しに乾燥させてみたら『うわ、うまいわ』と思った。焼酎や日本酒のおつまみだけでなく、熱中症対策の塩分補給やお茶漬けにもおすすめ」と出来栄えに胸を張る。
問い合わせは森田良農園075(712)4889。