梅雨に入り、夏が近づいてくると気になるのが夏のボーナスという人も多いのではないでしょうか。全国の中小企業の人事担当者に「2022年の夏季賞与」について調査を実施したところ、7割以上の企業が「2022年の夏季賞与を支給予定」と回答しました。一方で、賞与支給額について「2021年より増額予定」と回答した企業は3割未満に留まったそうです。
エン・ジャパン株式会社が運営する、人事向け総合情報サイト「人事のミカタ」が、同サイトを利用している中小企業365社を対象として2022年6月に実施した調査です。
はじめに、「2022年の夏季賞与は支給予定ですか」と聞いたところ、77%の中小企業が「支給予定」と回答し、2021年の同調査とほぼ同水準の結果となりました。
「支給予定」と回答した割合を業種別に見ると、「メーカー」(89%)、「商社」「不動産・建設関連」(いずれも82%)、「流通・小売関連」(76%)、「金融・コンサル関連」(75%)と続きました。
次に、「前年(2021年)と比較し、景気の上昇や回復を実感できていますか」と聞いたところ、「非常に感じる」(1%)、「どちらかというと感じる」(30%)を合わせて31%の企業が「感じる」と回答しました。回答には以下のようなコメントが寄せられたそうです。
【「非常に感じる」「どちらかというと感じる」と回答した理由】
▽取引先からの依頼や打ち合わせも増えてきたため。世間の動きが変わってきたと感じる(IT・情報処理・インターネット関連/10~29名)
▽顧客が製造業なので、半導体不足・SCM遅延の影響を受ける業界であるが、受注が増加しており、中小企業は健在と感じることが多くなった(IT・情報処理・インターネット関連/50~99名)
▽2021年は新型コロナウイルスの影響で大幅な売上減少を予測していたが、減少幅が少なかった。2022年は影響もほとんどなく売上も増加し売上回復したため(商社/50~99名)
▽新型コロナウイルスに対する国民の認識が、未知で怖いものから、ワクチン接種等により、怖くないものへ少しずつ変化していると感じるため、回復を期待できると感じている(メーカー/300~999名)
【「どちらかというと感じない」「まったく感じない」と回答した理由】
▽戦争の影響もあり、原油や肥料、綿花の上昇や円安で物価上昇をしているため。景気の上昇は感じない(メーカー/50~99名)
▽ウッドショックを始め、原材料価格の上昇により利益幅の減少が見込まれる(メーカー/100~299名)
▽急激な円安とガソリン高によるコストの増大(卸売業/50~99名)
▽観光業界は新型コロナウイルスの影響が長引き、全く景気回復できていないため(サービス関連/100~299名)
夏季賞与を支給予定の中小企業に、「2021年の夏季賞与支給額と比較して、今年の支給予定額に変動はありますか」と聞いたところ、27%が「増額予定」、12%が「減額予定」と回答。また、「増額予定」と回答した業種は「金融・コンサル関連」(50%)、「商社」(44%)、「流通・小売関連」(42%)、「メーカー」(40%)と続き、緩やかな景気回復を感じる一方、社会情勢の影響を受け、賞与還元が振るわない中小企業の存在も伺えたといいます。
なお、「増額予定の理由」については、「社員の意欲向上」(56%)、「業績が好調」(55%)、「物価上昇への対応」(32%)といった回答が挙げられたそうです。