キリンだって、雨に濡れたくない日もあるもん…3頭が軒下でちんまり雨宿り「かわいい」「雨苦手なんだ」と大反響

茶良野 くま子 茶良野 くま子

「昨日の雨は濡れたくない雨だったようで」と、降りしきる雨の中、等間隔で建物の壁際に身を寄せ雨宿りする3頭のキリンたち。そんな様子を広島市の「安佐動物公園」がツイートすると、7.7万いいねが付く大反響となりました。

そんなに幅がなさそうな軒下部分にちんまり収まる姿に「かわいい」「縦列駐車だ」「雨は苦手なんですね」と驚きの声や、「屋根つけてあげて」「部屋に入れないの?」と心配する反応もありましたが、仲間が来ないスキにひとりエサを独占するちゃっかりさんも動画で紹介され、何ともほのぼの。はてさて、キリンは雨がお嫌い?

答えてくれたのは、この写真や動画を撮影したキリン担当の飼育員、堂面志帆さん。ツイート写真のキリンは、手前が「はぐみ」(2歳メス)。誕生時には立つこともできないほどだった脚の障害を克服する過程が話題になりました。真ん中は「カナ」(10歳メス)、奥が「メグミ」(12歳メス)。動画でひとりもぐもぐタイム中なのが最年少の「アカリ」(1歳メス)です。 

 

―3頭で雨宿り。「濡れたくない雨だった」と。

「朝の出舎後で9時半ごろです。外で木の葉を食べる時間ですが、少し食べた後に3頭が雨宿りを始め、1頭だけアカリが残って食べ続けていました。この後、自由に部屋に出入りできるよう扉を開放しましたが、あまり部屋には入らず、軒下にいる時間が長かったです。

当園のキリンたちはもともと雨があまり好きではないので、雨宿りする姿はよく見られます。この日は、強まったり弱まったりして不規則な雨だったので、『濡れたくない雨』だったのかなと。でも、雨を全く気にしない日もあるので、『濡れてもいい雨』もあるみたいです」

―雨の日ならではの行動は?

「あまり動かないです。軒下や、葉が茂った木の下で雨宿りすることも。これからの季節は雨でもあまり寒くはならないので、気にしなくなってきます。雨水で重くなった木の枝が枝垂れてきて葉っぱが食べられるようになる場合があるので、それを楽しみにしている個体もいます」

―ひとりエサに夢中なキリンが。

「最年少で1歳の『アカリ』です。雨も雪も気にすることなく、だいたいこんな感じで、いつもマイペースですね」

 

―暑さ寒さへの反応は?

「アフリカのサバンナに生息する種なので暑さは比較的得意で、寒さは苦手だと感じます。ただ暑さについても、夜間でも気温が下がらないような日が続くと少し夏バテ気味になるので、どんな暑さも平気というわけではありません」

 

―雨だと飼育員さんも大変なのでは?

「雨が続くと地面が緩くなってキリンたちが足を滑らせやすくなるので、普段から運動場の整備が欠かせません。水はけを良くするための流れ道をつくったり、くぼみを土で埋めたりします。日照りが続くと逆に地面が乾燥して砂埃がひどくなるので、キリン担当としては、定期的に降ってくれるとそれはそれでありがたいですね」

 

キリンの投稿はよくしており、今回の反響には驚いたそう。「『かわいい』『壁に寄れば濡れないって分かってる、賢い』といったポジティブな感想はもちろんうれしいですし、『雨が苦手とは意外』『サバンナではどうしているんだろう』と、野生動物としての生態に関心を持っていただけたと感じることもできました」と堂面さん。

「『もっと大きな屋根を』『雨の日は部屋に入れてあげて』と心配してくださる声もたくさんいただきました。雨が強い日や寒い日にはキリンが部屋に自由に出入りできるよう扉を開放しており、早めに寝室に収容することもあります。そういった展示方法をとっていることも今後は紹介していきたいです」と話してくれました。

 

それぞれの個性も楽しいキリンたち。飼育員さんの細やかな気遣いのもと、雨の日も晴れの日も、のんびりのびのび過ごしているようです。

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