“隠れ高血圧”と呼ばれる現象「モーニングサージ」が危険な理由 症状の見つけ方は? 医師が解説

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 さまざまな病気と密接に関係し、身体の健康状態を知る指針となる血圧。日中の血圧が高すぎると良くないということは知られていますが、朝方のみ血圧が上昇する“モーニングサージ”という現象は意外と知られていません。“モーニングサージ”が危険な理由や、症状の見つけ方など、吉田病院付属脳血管研究所(神戸市兵庫区)の吉田泰久院長に詳しく聞きました。

――モーニングサージとは、どのような現象なのでしょうか?

血圧が朝方にかけて上昇する現象のことを、モーニングサージといいます。正常な場合、血圧は活動している昼間は数値が高く、安静にしている夜間には低下しています。しかし、就寝後の朝方にかけてどんどん血圧が上昇する人がおり、この症状は昼間常に高血圧が続いているのと同様の危険性があるとわかっています。ただ、診察室で血圧を測ったときには正常な数値が出ることから、“隠れ高血圧”の一種といわれているんです。

――起床時、低血圧の人の方がしんどいというイメージがありますが、高血圧の人もしんどいものなのでしょうか?

高血圧の方は自覚症状がないことが多いため、しんどいと仰ることはあまりありませんね。むしろ朝の目覚めは良い方だと考えられています。

――自身がモーニングサージであることを知るためには、どうしたらよいのでしょうか?

血圧を測らないことにはわからないので、朝一番の血圧を測っていただきます。モーニングサージを起こしていると、起床時の血圧が昼間クリニックなどで測った時よりも高くなるんです。朝夕の2回血圧を測ったときに、朝の数値のみが高い場合は”隠れ高血圧“と考えられます。

――そのほかに気をつけておくべきことはありますか?

自身で血圧を測るということが非常に大切です。朝の数値のみが高いというのは隠れていることが多く、この症状を放置しておくと、常に高血圧である場合と同様に危険です。そうならないためにも血圧手帳をつけ、かかりつけ医に見てもらってください。ほかにも、就寝中の暖かい部屋から、急に寒い場所に移動する際は1枚上着を羽織るなど、温度管理に気をつけていただければと思います。最近は24時間血圧を測ることのできる血圧計があり、正確な数値がわかるといわれていますので、クリニックなどの医師に頼んで試してみるのもいいかもしれません。

◆吉田泰久 社会医療法人榮昌会 吉田病院 / 理事長兼院長 /
1952年12月の開設以来70年近くにわたり、神戸市の救急医療のなかでも脳卒中患者の診療を主に担い、急性期から回復期、在宅まで一貫した脳卒中治療を提供している。
診療科は、脳神経外科、脳神経内科、内科、循環器内科、リハビリテーション科

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