最近は就職活動において、内定獲得よりも入社後を見据えて誠実に就職活動をする学生が増加傾向と聞きます。そこで、競争よりも協調を大切にするといった特徴を持つと言われるZ世代の就職活動における考え方をアンケート調査したところ、第一志望でない企業から志望順位を聞かれた際に「第一志望と回答しない」学生が約半数であることがわかりました。また、約4分の1の学生が、「同時に複数の内々定を持っていることに抵抗がある」と回答したそうです。
「株式会社学情」が運営する就職情報サイト「あさがくナビ2023」来訪者を対象として、2022年4月にインターネットアンケートを実施。426人から有効回答を得ました。
第一志望でない企業から、「当社は第何志望ですか」と質問された際の回答については、「第一志望群だと伝える」(33.3%)、「他の企業が第一志望だと正直に伝える」(13.8%)を合わせると47.1%の学生が「第一志望」とは回答しないことがわかりました。なお、「第一志望だと伝える」と回答した学生は49.8%だったそうです。
具体的なコメントとしては、「正直に答えたほうが良いと思う」「企業が第一志望ならと思い内々定を出してくれたら、申し訳ない」「嘘はつきたくない」などの声が上がっており、企業に誠実に対応したいと考える学生が多いといいます。
続いて、「同時に複数の内々定を持っていること」については、「抵抗がある」(5.6%)、「やや抵抗がある」(18.5%)を合わせると24.1%の学生が「抵抗がある」と回答しました。具体的なコメントとしては、「内定辞退をするのが申し訳ない」「入社する企業は1社なので、承諾する企業以外は辞退したい」などの声が寄せられたそうです。
同社は、「3月に実施した内々定率調査では、内々定を獲得している学生の平均獲得社数は『2.00社』なのに対し、平均保有社数は『1.55社』となっており、内々定獲得に並行し辞退も進めていると推察されます」と説明しています。
最後に、「セミナーに参加したものの、選考に参加しなかった企業はありますか」と聞いたところ、75.1%の学生が「ある」と回答しました。また、その理由としては、「仕事内容が希望に合わないと思ったから」(55.0%)、「企業の雰囲気が自分に合わないと思ったから」(51.3%)、「志望理由を思いつかなかったから」(28.1%)「選考のスケジュールが合わなかったから」(18.8%)、「他の企業のほうが、志望度が高いと感じたから」(15.0%)といった回答が続きました。
同社は、「会社説明会をオンラインで開催する企業が増えました。オンライン開催のセミナーは、移動時間や交通費がかからず、参加しやすいという特徴があります。セミナーに参加しやすくなったことも、セミナー参加後に選考に参加するかを改めて検討することに影響をもたらしていると言えます」と説明しています。