2022年卒業予定の大学生・大学院生の就職活動で、内々定先の企業への入社を反対されたことのある学生が約3割にのぼることが分かりました。反対された相手は両親が最も多く約7割に。調査した会社によると「近年採用活動において『オヤカク(親・保護者への内定承諾の確認)』という言葉が一般的になってきている」といい、両親から実際に否定的な意見を受けるケースが一定数あることを裏付ける結果となりました。
就職情報サイトを運営する株式会社マイナビが行った「マイナビ 2022年卒大学生 活動実態調査(9月)」の結果によるものです。文系男子490名、理系男子499名、文系女子1099名、理系女子515名を対象にWEBアンケートの形式で調査が行われました。
2022年卒業予定の大学生・大学院生の9月末時点での内々定率は86.6%。8月末時点と比べると内々定率は5.3ポイント増、平均内々定保有社数は2.3社で0.1社の増加となったそうです。
内々定先の企業について、周囲から否定的な意見や反対を受けたことがある学生は27.7%で、その相手は「父親・母親」が最も多く69.9%でした。否定的な意見や反対を受けた点としては、「安定性」「将来性」「福利厚生制度」が上位にあがったそうです。
なお、内々定先について否定的な意見や反対を受けたことがある学生に、その後の行動について聞いたところ、最終的に内々定先を辞退した学生は30.0%という結果に。相手を説得したり、再度自分で検討するなどの行動を経たうえで入社を決定した学生が66.8%となったそうです。
入社を決めた学生のコメントからは、「就職活動で大事にしていた軸を伝えた」、「将来の希望の働き方を再度考えたうえで入社を決めた」などの声が見られたといいます。
調査結果について同社の担当者は「今回の調査で、就活生は内々定先の企業について、両親を筆頭に友人や大学の教授などから反対を受けるケースがあると分かりました。ただ、反対を受けたとしても『反対を受けたままでは入社できない』という理由で辞退した学生は少なく、7割近くの学生は説得や再検討を経て入社を決めています」と説明。「その経緯を見てみると、否定的な意見や反対を踏まえたうえで、『本当に心配ないのか』『働くうえで自分が優先したいポイントは何か』を改めて考えている学生が多く、その過程はキャリアを選ぶにあたり重要な視点だといえます。内々定先について反対されることがあっても、周囲が抱く懸念点と自分のキャリアプランを整理して、納得のいく入社先を選んでほしいと思います」と述べています。