「虫歯」が多いのは上の子、それとも下の子? 歯科芸人にその原因を聞いた

山本 智行 山本 智行

 映画「ファミリープラン」は女子プロテニスプレーヤー、ウィリアムズ姉妹の父親の生き様を描いた作品です。主演したウィル・スミスがアカデミー賞主演男優賞を受賞しましたが、授賞式でプレゼンターを平手打ちし、謝罪する事態に追い込まれました。しかし、歯科医芸人の”パンヂー陳”こと陳明裕さんが注目したのは、そこではなく、兄弟や姉妹での傾向。虫歯が多いのは上か下か。その理由に迫ります。(聞き手・山本 智行)

パンヂー陳(以下、陳):映画「ファミリープラン」が何かと話題になっていますね。

--主演のウィル・スミスがアカデミー賞の授賞式でプレゼンターを務めたコメディアンのクリス・ロックの顔面を平手打ちした一件ですか。あれ、最初はコメディーかと思いました。暴力はいけませんが、家族が侮辱されたんですから気持ちは分かります。

陳:確かに気持ちは分かりますが、自分があの場のウィル・スミスだったらガンジーの無抵抗主義よろしく、奥さん連れて黙って立ち去ってたと思います。ところで、映画の方はご覧になりましたか?

--実は最初にタイトルを聞いたときは携帯電話の宣伝か、あっちの話かと思ったんですよ。

陳:何の話してはるんですか!確かに、昔は薬局の前に「明るい家族計画」って書いた自動販売機がよく置いてありましたが。映画の方は女子プロテニス選手、ビーナスとセリーナのウィリアムズ姉妹のお父さんを描いた物語で信念を貫き通す事の大切さや人種差別について考えさせられるよい作品でした。

--映画評論やったら陳さんやのうて浜村淳さんとか、おすぎさんに聞きますよ。その映画と歯と何か、関係あるんですか?

陳:いや、それがね。兄弟姉妹と虫歯には関係があるんですよ。スポーツの場合は、このウィリアムズ姉妹でも分かる通り一般に下の子の方が始める年齢も早かったり、上の兄弟姉妹から身近にアドバイスも得られるため大成する事が多いようです。

--そうですか?姉のビーナスはシングルで全英5回、全米2回も優勝してますよ。十分でしょう。

陳:はい。でも、セリーナは全豪7回、全仏3回、全英7回、全米6回の計23回も4大大会を制した史上最強の女子テニスプレーヤーですから。浅田真央ちゃんの所も僕はお姉さんの方がタイプですが、真央ちゃんの方がスケーターとしての実績は上。北京五輪で活躍した高木姉妹も妹の美帆さんは金メダル1個、銀メダル3個も獲得しました。

--確かに、イチロー選手も松井秀喜選手も弟です。

陳:そうでしょ。もうすぐ開幕する大リーグで今年も二刀流での活躍が期待される大谷翔平選手の場合も兄の大谷龍太さんは社会人野球の選手ですが、野球選手としての実績は弟さんの方が上です。

--いやいや、そうとも限らないのでは。ボクシングの亀田3兄弟はどうです?

陳:確かに亀田兄弟は長男の興毅さんは日本人初の3階級制覇もしましたし、顔も一番怖そうですね。これは絶対にそうだというわけではなく、そういう傾向があるという事です。

ただ、ボクシングで言えば、ロシアのウクライナ侵攻で、時の人となったキーウ(キエフ)市長のビタリ・クリチコさんはWBOやWBCのヘビー級王者を獲得しましたが、プロボクサーとしての戦績は弟のウラジミール・クリチコさんの方が上。WBOヘビー級王座を合計19度、IBFヘビー級王座を18度防衛するなど2017年に引退するまで長い間チャンピオンとして君臨していました。

虫歯は兄弟の上と下だと、どっちが多い

--他に兄弟や姉妹で見られる傾向はあるんですか?

陳:一般的に、お勉強は一番上が成績がよい傾向があるそうです。僕の家も私は歯科医師ですが、兄は内科医でしたから。というのも一番上の子は親が勉強について、いろいろと気を使うけれど、下の子には、それほど情熱を傾けない傾向があるからだそうです。

--その発言、世の中の末っ子たちの反感買いますよ!で、何がいいたいんですか?

陳:やっと本日の本題ですが、虫歯は兄弟の上と下だと、どっちが多いと思われます?

--私は虫歯が多かったので、下の子ですか?

陳:正解です。理由は分かりますか?

--さっきの勉強と同じで、親が上の子の歯磨きとかと同様に最初なので何かと気を使うからですか?

陳:もちろん、それもあるでしょうが、一般に下の子の方が甘いものデビューする年齢が早くなる傾向が高いというのが大きな原因です。

--そうなんですか?

陳:例えば初めの子はある程度、自分でも歯磨きができるようになる6歳くらいまでは、親が気を付けてチョコレートなどの甘いものを与えないようにしていたとします。でも、下に弟や妹がいたら上の子にだけ、お菓子を食べさせるわけにはいきませんよね。つまり、3つ下の弟がいたとしたら、その子にとっては3歳から甘いものデビューすることになり、その分、虫歯になるリスクが増えてしまいます。特に生えて間もない歯は、表面のむし歯への抵抗性が弱いので、なおさらです。

--なるほど。ということは、イチローや松井秀喜もひどい虫歯だったかもしれませんね。私の虫歯が増えたのも「上の上の上」がすでに甘いものを食べ始めていたからなんですね。

陳:上の上の上?山本さん、いったい何人兄弟なんですか。山本さんのお家は「明るい家族計画」とは無縁のご家庭だったみたいですね!?

--失礼な。4人兄弟の末っ子です。もし、父親がウィル・スミスのような信念の持ち主でテニスをさせてくれていたら今ごろ、ジョコビッチや錦織圭選手のように活躍していたかもしれません。

陳:それは絶対ないです!運動能力や才能が違います。見た目も。山本さんと彼らの共通点は“ユニクロを着ている”という事くらいしか見当たりませんもん。まっ、あちらは何億もの広告料をもらって着てはりますけどね。

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