タレントの千原ジュニアさんが「特発性大腿骨頭壊死症」の手術をしたと発表されました。これまでにも、タレントの堀ちえみさんや俳優の坂口憲二さんなどが同じ病気になったことが知られています。厚生労働省の難病指定の特定疾患に指定され、原因も完全に解明されておらず、誰もがなる可能性があります。
「特発性大腿骨頭壊死症」とはどんな病気?
「特発性大腿骨頭壊死症」とは、病気やケガにより骨に血液が十分に流れなくなると、大腿骨頭の一部が壊死(血流の障害により骨の組織が死んだ状態)した状況を指します。
ちなみに、骨壊死があるだけでは痛みはなく、骨壊死に陥った部分が潰れるなどすることで体重を支えきれなくなり、痛みが増してくるようです。そのため、骨壊死はあっても壊死の範囲が小さい場合などは痛みが出ないこともあります。
初期症状としては、急に生じる股関節部痛が特徴的です。なかには、腰痛、膝痛、殿部痛から始まって、股関節部痛に移ることもあります。症状が進行すると関節面が変形し、歩行する時や階段昇降時に股関節に痛みや違和感を覚えるようになります。
さらに、関節の動く範囲が狭くなると、足を引きずって歩くようになったり、正常に歩けなくなったりすることもあります。
原因は完全に解明されていませんが、股関節骨折や股関節脱臼などが発症した後になりやすく、ステロイド剤を多用してきた人やお酒を頻繁に飲んでいる人もなりやすいといわれています。
また、糖尿病や鎌状赤血球貧血、腎臓病、アルコール依存症、痛風などによっても引き起こされることもあるようです。原因を特定できないことも少なくありません。
日本では1年間の新規発生数は約2000~3000人。30歳代~50歳代の働き盛りに多い疾患だといわれています。
生活改善で股関節の負担を軽減したい、治療法は?
治療法はいろいろあります。年齢や職業をはじめ、壊死の大きさなども考慮して治療法は決められます。初期に比較的強い痛みがあっても、局所の安静や投薬で治まる場合もあります。その場合は保存療法だけで治ることもあるといいます。
壊死の領域が広く、変形が進行する可能性が高い時は「大腿骨内反骨切り術」や「大腿骨頭回転骨切り術」なども考えられます。自分の骨を温存する手術をすることが困難な場合は「人工股関節手術」をすることもあります。
もし、アルコールが原因ならお酒を控えることは重要です。痛みを和らげる方法として、股関節の負担を軽くすることも大切です。ストレッチで股関節を柔らかくしたり、血液循環をよくしたりするのはいいようです。お風呂も同様に血行を良くする効果があるといわれています。
気になる人は専門医に早めに相談してみてください。