「百貨店のコスメ売場で冷たくされた男性客の話」美容部員の投稿が話題 知らなかった!背景にある「恐怖」切実な思いに13万以上の共感

はやかわ かな はやかわ かな

「最近男性の美容垢でデパートのコスメ売場で冷たくされたというお話がよく出ていて、皆が化粧品を気持ち良く買えないなんて悲しいなと思いながらもちょっとここでだけ美容部員の本音を書いてもいいですか」という、はなさん(@hinano0213_)のツイートが話題です。

自らもデパートのコスメ売場で働く美容部員、はなさんにお話を聞きました。

女性販売員さんの背景にあるかもしれないこと

はなさんは、「化粧品成分スペシャリスト/パーソナルカラリスト」として美容を追求されている美容部員さん。この日、はなさんはデパートのコスメ売場での仕事中、ある怖い思いをしました。

「ツイートをした日、一日中同じ男性が売場をウロウロして、意味もなく今の時刻を聞いたり世間話をしに声を掛けてくるという、いわゆる付きまとい行為の被害に遭い、とても怖い思いをしていました。実はこういった不審者に関する被害は、美容部員の間ではよくある話なんです…。ところが、そのことを男友達に話したところ、『そんなことがあるの!? コスメ売場に男が来るだけで嫌われてるのかと思ってたけど、そんな背景があるなんて知らなかった…』と言われ、世間との認識のギャップに驚きました」

はなさんは以前から、美容好きの男性の間で、『デパートのコスメ売場では、女性にはタッチアップ(※美容部員が客の肌に触れて化粧品を試すこと)をしてくれるのに、男の自分にはしてくれないのが嫌な気分だった」というツイートが話題になっていることを知っていたそうです。

「その解釈が、キモがられた、どうせ買わないと思われている、性差別だ、といったものでした…。もし私がその方を接客していたら、精一杯満足していただけるように努力したと思います。でも、もしかしたらそのときの女性販売員さんの背景にあるかもしれないことを知っておいていただけたら…という思いで、今回のツイートを投稿しました」

警戒せざるを得ない、美容部員の危うい「現状」

今回のはなさんの一連のツイートには、デパートの美容部員が置かれている「危うい現状」が赤裸々に綴られていました。

①不審者による店内での付きまとい行為や過剰な声がけ、または長時間の店頭滞在

②タッチアップの際に手や身体を触られる 

③差し入れを突然渡され、断ると怒鳴る 

④従業員出入口での待ち伏せ 

こういった明らかな危険行為以外にも、執拗にプライベートなことを聞かれたり、性的な発言をされるなど、面と向かって注意をしにくい迷惑行為も多く、圧倒的に女性店員が多いデパートのコスメ売場は、日々危険と隣り合わせの状況なのだそうです。

「店側に不審者の訴えをすれば、警備員が売場の近くに立ってくれますが、できれば警備員の常駐・見回りに加え、過去にトラブルのあったお客様の来店時には、すぐに声を掛けてもらいたいです。次に大きなトラブルがあるまでは見守り…という形だけでは怖い、というのが現状です」

接客業を取り巻く「危険」

はなさんの一連のツイートを受け、リプ欄には「同じような怖い思い」を経験したり、身近で目撃したという接客業の方々のリアルな声が殺到。引用リプライなども含め、これからの接客業の安全性を問う声も多く挙がりました。

そんななか、はなさんのSNSには、「加害者扱いをされるなら、もう店頭では購入したくない」といった男性からの批判の声のほか、同様の被害に苦しんでいるという「男性販売員」の声なども寄せられました。

男性でも女性でも、気持ちよくお買い物していただきたい

さまざまな反響についてはなさんは、

「皆の被害を見てとても悲しい。男性も、変質者かもって見られて悲しいよね。お店でもっと対応できるようにしたいです」

「確かに女性の付き添い(を同伴したり)や、身なりを整えて(来店して)いただくと美容部員の警戒は減るのかもしれないけれど、別にそんなことしなくて良いよ。純粋に化粧品を求められるお客様は、何も変わらなくて良いと思います。対策すべきはお店側のスタッフなので、お客様は何も気にしないでお買い物していただきたい」

とツイート。そして、現場でできうる対策として、お客様の「会員登録」の提案と、百貨店側の警備強化を訴えました。

警戒せざるを得ない現状は悲しいけれど、美容男子もプレゼントをお求めのお客様も大歓迎です

「もしも、『店頭で冷たくされたのは俺自身に何か問題があったのではないか…』と悩まれている方がいらっしゃるなら、その女性美容部員の背景に、こういった性被害を受けたトラウマがあったのかもしれない…という事実を知ることで、少しでも気持ちが楽になれば、と願っています。男性でも女性でも、お客様が商品を目的にいらしていることがわかれば、必ず対応は変わると思います。警戒せざるを得ない現状が悲しいですが、美容男子もプレゼントをお求めのお客様も大歓迎です」

殺傷事件には至らなかったものの、昨年末、北海道の大型スーパーで起きた破壊行為も、店舗側が犯人をストーカーとして認知し、警察に相談していたにも関わらず、起きてしまった事件でした。被害店の販売員は全員女性だったそうです。

もちろん、被害に遭うのは女性ばかりではありません。ストーカーなどの性的被害を筆頭に、カスタマーハラスメントやプライバシーの侵害など、日々不特定多数の人と接する仕事には、多くの危険が伴います。警備面の強化はもちろん、本名を提示する「名札」の是非など、すべての「接客業」の安全のあり方を、大きく見直す時期に来ているのかもしれません。

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