「友人のアメリカ人の子育てを見ていたら、子どもに何か注意するときは常に『Don’t 』からではなく『We』から言葉が始まることに気付いて、これは自分も日本語でも真似したいと思った」とツイートしたのは、山口慶明「アメリカ」で何とか生きてるさん(@girlmeetsNG)。この投稿には「走らないで!を歩こうね!に変えるって感じですかね。素敵な文化ですね」など共感するたくさんのリプライが寄せられました。
「We don’t do this とかじゃなくて、We do like this みたいな感じで、『やって欲しい方』を即座に言える人が多いですね。アメリカ人でも『やってほしくないこと』を挙げる方が簡単そうなので、言い方のその習慣は訓練の賜物だなと思います」
「TVドラマのフルハウスを見ていると子ども達が失敗した時にダニーやジェシーは必ず肯定的に諭しますよね。決して頭ごなしに否定しないところが子育ての参考になりました」
「We や ourから始まる諭しは運命共同体を感じますね。人種超えて使えるといいなと思います」
「私もアメリカにいます。アメリカ人はポジティブに話すの上手ですね。でもウチのアメリカ生まれの子どもは、『アメリカ人の親って子どもへの注意にプリーズてつけるよね』と批判します。お願いじゃなくて注意なんだからプリーズは要らない」
「確かに自己肯定感を下げない叱り方だとは思う。ただその結果かいつでも『自分は悪くない!』っていう大人も多く存在してる」
「私も冷静な時は『一緒に〜しようね』と娘に言うんだけど、イラッとくると『〜ダメでしょ』になって、後で凹みます」
投稿者の山口慶明さんに話を聞きました。
ーーアメリカ人のお友達は「We・・・」の後にどういう言葉を続けられるのですか。
「その時は、レゴブロックを投げていた子どもに対して”Hey, we use toys in this way.”「僕らはおもちゃをこういう風に使おう」と言いながら一緒にレゴを組み立てる。食事中に動き回る子供に対して”We should better sit down while eating.”食事中はみんな座っている方がいいよね』というような感じで注意していました。これ自分だったら”You”と言う場面だな、と思いました。
ーー「〜してはいけない」より「〜しましょう」の方がいいと思われた理由は?
「脳科学的に否定形の言葉よりも肯定形の言葉の方が脳が認識しやすいという話を聞いたことがあったからです。子供が水の入ったコップを運ぶ時『こぼさないで運んでね』より『上手に運んでね』と声をかける方が失敗しない。野球でも『高めに手を出すな』より『低めを狙え』と指示する方が良い結果が出る。というのは有名な話です」
ーー他にもいいと思われた表現があれば教えてください。
「アメリカ人のコミュニケーションは、本当にできるだけネガティブなワードを使わないように感じます。例えば以下のような感じです。
・失敗した時
日本『残念だったね…』→アメリカ『Good try!』
・実行することが難しそうな難題に対して
日本『それはちょっと厳しいね…』→アメリカ『It’s challenging!』
・方法を否定する時
日本『そのやり方ではダメだ』→アメリカ『It's not the best.』
・何か問題があった場合
日本『これは問題ですね』→アメリカ『It’s good opportunity!』
子供に注意するときに、命令系やYouではなくWeを使うということは、子供であっても一個人として尊重したうえで、親自身も当事者として一緒に物事を考える姿勢の表れなのだと感じ、まねしたいと思いました」