次は「東スポ唐揚げ」販売か 餃子は半年で180店舗、EC、自販機と販路拡大…幹部「居酒屋やるのも面白い」

岩崎 正範 岩崎 正範

 野球、芸能の裏ネタからプロレス、宇宙人と徹底した娯楽路線を貫いてきた異色の夕刊紙・東京スポーツ新聞社が失笑覚悟で「東スポ餃子」を販売してから半年が経とうとしている。

餃子200人分を医療現場に寄付

 その意外性がマスコミ業界でも話題となり、目下180店舗の外食チェーンやECで展開。自販機でも販売にこぎつけるほどに成長したが、このほどその「東スポ餃子」がコロナ禍で奮闘する医療従事者への〝緊急支援物資〟として徳洲会葉山ハートセンター腎臓内科血液浄化センター部長の福内史子氏に寄贈されていたことが判明した。

 今回はビジネス相手の飲食店ではなく、場違いともいえる命がけの医療現場。もしも、ナニかあったら紙面のようにシャレで済む話ではなくなるが「東スポ餃子」販売の仕掛け人である平鍋幸治・東スポ取締役編集局長は正義感丸出しでその理由を明かした。

 「オミクロン株が猛威を振るう中、病院に従事する医師、看護師、スタッフさんらは本当に大変な思いをしています。実は以前に福内先生に本紙で医療コラムの連載『福ちゃんのほっこり診療室』を執筆してもらっていました。

 その縁で今回、東スポでも何か手伝えないか?このまま手をこまねいていいのか?会社として男になるときじゃないのか?と自問自答し、関係各位として協議。合計1000個(200人分)の東スポ餃子を寄付させていただいたのです」

 そして「そもそも我が東スポ餃子は免疫力アップに有益なニンニクが通常の3倍入っているので、きつい仕事に欠かせないスタミナ効果があります。そして、ひょっとしたらですが、オミクロン株の撃退にも少しは役に立つのではないか…と勝手に思っております。さすがに怒られそう?これは書かないでください(笑)」と何のエビデンスもないのに力説。世界保健機関(WHO)が聞いたらさぞやビックリするだろう。いや、するわけないか。

「名前負けしないニンニクたっぷりのおいしさ」

 しかし、〝支援物資〟としての「東スポ餃子」の効果はあったようだ。実際に餃子を食した福内氏は「ニンニクマシマシ餃子。このネーミングセンス、最高です!皆から笑いが出ました。冗談半分で頂きましたが、名前負けしないニンニクたっぷりのおいしさでした。ニンニクの匂いはマスクに封じ込めて。コロナファイターで頑張ります!」と絶妙の言い回しで感謝。

 また連日の激務で疲労困ぱいの看護師からも「おいしかったあ!感染対策の防護服やマスクは熱くて汗だくになるんですが、東スポ餃子の塩気とニンニクに救われました。元気になり、これでまた頑張れます!」とありがたい言葉を頂戴したほどだった。

 東スポは昨年10月1日、東京・江東区の本社で自前の餃子発売を記念した「大試食会」を開催。プロレスラーやグラビア系のアイドルから「忖度なしにうまい!ニンニクが3倍と聞いて大丈夫かなと思ったけど、においも残らない」「ガツンとパンチがありながら優しい甘さも広がって本当においしい」など好評だった。

 その後は紙面やウェブ上でも積極的に「東スポ餃子」報道を展開。元東スポ記者である筆者のかわいい後輩記者の一人などは「餃子担当」の広報責任者に任命され、悲鳴をあげていたほど…。そんな社を挙げての一大事業だったが、医療従事者をも〝仕込みなし〟で笑顔にさせた事実は大きい。一方の「東スポ餃子」がコロナに効くかどうかは得意の〝飛ばし〟と思って大目に見るしかないが…。

 それにしてもだ。新聞社が自前の餃子販売するというビックリの行為から今度は医療従事者に営業度外視の「寄付」まで敢行した東スポ。ちまたでは経営難で苦境に立たされている噂もあり、そこは心配になってくるが、やはりナニを言われようと守りに入る気はない、らしい。

次は唐揚げ?たこやき?メニュー揃えば居酒屋も視野

 東スポの内部情報を極秘に入手すると「東スポ餃子」に続いて今後は「東スポ唐揚げ」「東スポたこやき」と新たなチャンスがある限りこれでもか、と仕掛けていくとか。

 とどめは「たくさんの商品メニューが揃ったら〝東スポ居酒屋〟としてやっていくのも面白い」(東スポ某幹部)とまでブチ上げているから、一体ナニをやってる会社なのかわからない時代がくるかもしれない。

 それでも唯一無二の陽気な東スポではあってほしい。今の窮屈な世の中、むしろアホになるほうが難しい。今後も何かと注目していきたい。

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