通販番組「真夜中市場」が四半世紀 ネット全盛の時代でもTVならではの魅力...知られざるその裏側

ハイヒール・リンゴのつぶやき

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 先日、ペナルティのヒデくんが通販番組のお仕事への思いを語ったインタビューをネットニュースで読みました。私も彼の番組を見て買うこともしばしば。    

 そのインタビューの中で、最初に通販番組のオファーが来たときに「オレ、もう“そっち”なの?と思った」と振り返っていましたが、私たちハイヒールも25年前から関西テレビで通販番組「真夜中市場」をさせて頂いていますし、その気持ちは理解できます。

 何せ、昔の通販番組は銀幕のスター、往年の映画俳優さんが多く出られていて、例えば朝丘雪路さんがダイヤの指輪を着けて売ると「朝丘雪路が着けた指輪」とプレミアが付く、という時代。そんな大御所が居並ぶ世界に、ヒデくんは40かそこらで飛び込んだわけですから。でも、それも従来の固定観念を変えたかったスポンサーの思いの裏返しだったと思うのです。

 通販番組にお決まりの「すごーい!!」という一言でも、ヒデくんはすごく勉強している。私も特番で出演させて頂いたことがあるのですが、「羽毛が軽い」という所に「△△より軽いんです!」と聞いたこともない鳥の名前が出てくる。誰もどんな鳥か知らないから「軽い」と言われても「知らんがな!」。ちゃんと笑いも取れて「へぇ」ともなるんですね。「売る」と「笑」がキチンと分配されている凄さ。

 ヒデくんの台本にはそうした書き込みが随所にある。私が「すごいね!」と言うと「見んとって下さいよぉ。」と照れていましたが、1億円以上の売り上げを次々にたたき出し、カニなどは仕入れが間に合わないほどというのもうなずけます。彼は通販番組をそれまでとは違う形にした一人であると思います。

 私たちの「真夜中市場」も「商品が気に入らなければ、『いまいちね』と言ってもいい」という条件で始め、25年たった今もギャラは変わりません(笑)が、その分言いたいことが言えるのも変わりません。昔、360度回転する歯ブラシを紹介したときなんてメーカーさんが「コテンパンにされて泣きながら新幹線で帰った」なんて回顧録で振り返っておられました。

 別荘や船を売ったりと色々試行錯誤を重ね、25年もたつと紹介する商品も変わってきたなぁと実感します。昔は割れおかきや訳あり商品だったのが、今や深夜帯ということもあって遅くまで働く女性向けの化粧品も多くなり、さらに私たちも年齢を重ねたからでしょう、尿漏れパッドを紹介する事も。

 今やネット通販全盛の時代ですが、テレビの通販番組ならではの利点もたくさんある。どこの誰が投稿したか分からない星の数やコメントではなく、褒めるだけじゃない「正確性」もその一つですし、新しい商品のヒントが生まれることも。最近「あるといいな」と思ったのは、私たちの世代向けのナイトブラ。先日それをメーカーさんに言うと「今開発中です!」。そういう“あうんの呼吸”も長く続けてきて、視聴者に見て頂けているからかな、と思います。

 健康に関する商品もまだまだ進化していますし、化粧品だってUVカット率「+++」どころか「+++++」が登場するほど機能も向上しています。ぜひ私たちの顔色をよく見て品定めして頂きたいですし、私は収録中もよく商品の文句を言ってカットされてるので、私達があんまりしゃべっていない商品は要注意…かもしれませんね(笑)

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