87歳女性のインスタグラム投稿が人気を集めています。1日1回、夜に投稿される写真は女性の晩ご飯の食卓風景。小学生の頃から料理を始め、和食や洋食、中華までレパートリーは数知れず。写真撮影と投稿も全て一人で行います。離れて暮らす家族や孫たちへの「生存確認のような感じで始めた」という料理日記でしたが、現在ではフォロワー数5400人超の人気アカウントに。「いいね!」やコメント数も増え、今ではインスタが生きがいだといいます。ご本人と、祖母の活動を見守るお孫さんに話を聞きました。
「おごちそうさま」ほっこり文体も魅力
毎日の料理をインスタに投稿するのは「佐智子」さん(87)。孫娘である苗緒さんの勧めでインスタを始めたのは2020年5月。飲み込みが早く、すぐに一人でも投稿出来るようになりました。
初期の投稿文は「うに丼、肉じゃが、マメ。」など至ってシンプル。いいねの数も20ほどでした。観葉植物や季節の置物も小道具として上手に利用しながら毎日コツコツと投稿。品数豊富でおいしそうな料理の数々が評判を呼びファンが増え、「今日もおいしそうですね」「めちゃくちゃおいしそうです」「実家を思い出します」「作り方を教えてほしいです」などの反応が寄せられるようになりました。2年経った今ではフォロワー数5477人(2月2日現在)の人気アカウントです。
人柄がにじみ出る文体も魅力の一つ。「今晩は子供たちが食べに来ました。私自慢の焼きビーフン 皆んなで食べると、美味しいねお腹いっぱい、ありがとう おごちそうさま」「孫が来て久しぶりのお弁当作り楽しかつたよ。えがおで持って行くのが嬉しかつた」「今晩は孫ちやんたちが、食べにきましたので野菜の煮浸し、長崎の皿うどん、みんなで食べて、美味しかったよ おごちそうさま」など。時には「今晩は、ワンプレートにしました 洗い物か少なくて、ラッキー」とお茶目な一面ものぞかせます。
献立のアイデアは「毎朝、冷蔵庫の中を見て」
投稿主の佐智子さんに聞きました。
──インスタグラムを始めたきっかけは。
「もともとは娘や孫と家族の間で毎日何を食べたか、生存確認のような感じで始めました。今はたくさんの方が見てくださり、毎日楽しく投稿させていただいてます」
──お料理は何歳から始められたのでしょうか。
「料理を始めたのは小学生の頃からです。母の体調があまりよくなかったことから、長女である私が料理をする機会が多かったです。特別な勉強はしておりません」
──献立のアイデアは。
「毎日の献立は、毎朝冷蔵庫の中を見て、あるもので作るようにしています。メイン料理と副菜を考えて献立を決めております。ひとり暮らしのため、1人分作ってます」
──フォロワーが5千人以上もいます。
「たくさんの方が毎日見てくださりコメントをくださるのがとてもうれしい気持ちです。現在、インスタグラムが生きがいになってます」
──毎日続ける秘けつは。
「お料理をすることが好きなのですが、インスタグラムでみなさんが見てくださるので、もっとがんばろうという気持ちです」
孫娘「インスタが祖母の生きがいに」
お孫さんの苗緒さんにも聞きました。
──佐智子さんのお料理はどんなお味ですか。
「小さい時から食べているので、私の家庭料理といえば祖母のご飯です。今は離れて暮らしているのですが、帰省するときはいつもどの料理をリクエストしようかと悩んでいます(笑)」
──佐智子さんは普段、どんなおばあさまですか。
「とてもパワフルです。まわりの人に喜んでもらうことをモットーにしているところを尊敬しています」
──フォロワーが5400人もいることについては。
「フォローしてくださりコメントをくださることが祖母の生きがいになっているので私も本当にうれしいです。祖父が亡くなってひとり暮らしになり、家族としてはとても心配していたのですが、インスタのお陰で家族やみなさんとつながることが出来て、本当によかったと思っています」
家族間の交流のために始めたインスタ投稿でしたが、今では5千人以上の人たちが孫気分で佐智子さんの投稿を見守っています。
▽佐智子さんのインスタグラム(@zuozhizi17)