福岡と長崎に店舗を展開するスーパーマーケット「ダイキョー」のオリジナルスイーツ「はぎトッツォ」がSNSへの投稿を機に全国的な注目を集めています。地元のユーザーによるツイッターの投稿には11万を超えるいいねがつき、テレビなどでも取り上げられて話題に。
ネーミングとビジュアルから「アレか!」と想像できちゃうでしょうが、元になっているのは大流行スイーツ「マリトッツォ」。各地でさまざまな「◯◯トッツォ」が登場して、もはや日本独自のトッツォ文化(ってなんだ)が生まれているかのよう。なかでも、和トッツォの先鋒を進む「ダイキョー」の「はぎトッツォ」は、「人気の手作りおはぎにクリームをサンド」した大胆な仕様が目を引きます。
見事な和洋折衷ぶりを受けて、公式アカウントのツイートには「マリトッツォの美味しさがあまりよくわからんかったのですが、はぎトッツォは確実。美味しい、絶対」「悪魔のスイーツですよね。戻れなくなりそう!」「福岡の方羨ましい」「色んなマリトッツォ見るたびにrtしてるけど今の魔改造第一位だ」などのコメントが並びました。
「ダイキョー」は弥永店・野多目店(福岡市南区)、 長者原店(福岡県糟屋郡)、 福江店(長崎県五島市)の全4店舗。そのうち、曜日限定で「はぎトッツォ」を販売しているのは弥永店・野多目店の2店舗とのこと。
「ダイキョー」のご担当者に「はぎトッツォ」誕生のきっかけなどを聞きました。
──「はぎトッツォ」はいつから、どの店舗で販売されていますか?
今年の8月15日に初めて登場し、その後は不定期販売でした。しかし、お客様による「はぎトッツォ」写真のTwitterご投稿への反響がかなり大きく、またコメント欄にいただいた多くの「食べたい!」の声にお応えするため、定期販売を決定した次第です。
毎週火曜・木曜・土曜・日曜は弥永店にて販売、毎週土曜・日曜は野多目店でも販売しています。基本的には各店で40個限定販売(生クリーム、八女抹茶各種20個ずつ)となっていますので、売り切れてしまう可能性も。
──「はぎトッツォ」はどなたが発案を? また、ネーミングはどのように決まったのでしょうか?
お盆前に、事務所で弥永店の店長、惣菜部次長の梶原、デイリー・グロッサリー部長の3人で雑談をしていた時に生まれました。お盆の商材の話から流行のお菓子の話になって、「マリトッツォって流行ってるよね」「お盆といえばおはぎだよね」「おはぎにクリームを入れたら?」という流れで、「おはぎのマリトッツォ」で検索するとまだなかったんですね。
「ということは、日本初になるんじゃない!?」と、翌日さっそく梶原が試作しました。アイデアは雑談から、その後の商品化は惣菜部次長の梶原が行なった形です。8月8日に雑談して翌9日に試作、8月15日のお盆最終日に新発売。思いつきから約1週間で販売、と勢いに乗った商品です。
ネーミングは商品化をした梶原によるものです。試食の場で商品名をどうしよう、となった時に梶原が「はぎトッツォ」と発言。リズム感もいいので、それがそのまま採用されました。
──めちゃくちゃ展開が早いですね! そこから1カ月足らずで全国に知られるようになったのもすごいです。「はぎトッツォ」はダイキョーさんの店舗で作っているのでしょうか?
当店は開業当初からお惣菜やお弁当に力を入れているんです。唯一他社との差別化ができる部門ですので、手作りを基本として各店舗に惣菜部と厨房を備えています。「はぎトッツォ」も店舗にて惣菜部が手作りしていますよ。
──「はぎトッツォ」を構成するあんこ、八女抹茶クリーム、生クリーム、それぞれの特徴を教えてください。
あんこは、北海道産小豆に塩を入れた塩粒あんです。あんの風味を引き立てるように塩の入れ方を工夫しています。甘さもしつこくありません。生クリームはあんとのバランスを考えて砂糖を加えただけのシンプルなもの。八女抹茶クリームは、地元食材を使いたくて、福岡の茶処・八女星野村の抹茶を使用しています。あんやクリームの甘さの中にほんのりお茶の苦味が感じられる味わいになっています。
「はぎトッツォ」のベースとなった塩粒あんの「塩おはぎ」は弥永店の定番人気商品で、ほぼ毎日販売しています。弊社は「お弁当お惣菜大賞」に毎年出品しておりまして、「フォークで食べる八女抹茶のクリームおはぎ」は2018年にスイーツ部門最優秀賞を受賞しました。それゆえ、おはぎとクリームの相性のよさは実証済みだったということも「はぎトッツォ」の誕生に貢献しているかと。
──クオリティの高いおはぎがあったからこそのスピード発売だったのですね。「はぎトッツォ」の開発で一番大変だったところは?
ベースの「塩おはぎ」に合うように、甘過ぎないクリームを作ったことに加え、あんとクリームなので、重たくならないように配合を工夫しました。おはぎとクリームのバランス調整がなかなかに難しく何度も試作した結果、見かけのインパクトと違ってしつこくなく、重たくなく、食べやすい味に仕上がりました。
──「はぎトッツォ」へのお客様の反応はいかがでしょうか?
お客様の画像投稿がきっかけで、「はぎトッツォ」の名前がTwitterで一気に広まり、弊社がまず驚いています。有り難いことです。そのご投稿で知り、「食べたい」という声が全国から寄せられて嬉しかったです。実際に食べた方は、「マリトッツォより好き」、「あんの塩味とクリームとご飯が合っている」、「おいしい」と好評でした。おいしいとおっしゃっていただくのがなによりでございます。
──「はぎトッツォ」のほかにも個性派スイーツはありますか?
はい、ございます。弊社はオリジナルの手作りスイーツにも力を入れており、2021年3月にスイーツ部を立ち上げました。人気商品はたくさんあるのですが、まずは「手作りマサラチャイババロアとマサラチャイのゼリー(チャイソース付き)」。2層仕立てのチャイババロア&ゼリーです。薬膳スパイスアドバイザー®須賀野美奈子先生の「マサラ・チャイ」を使用したもので、弥永店に隣接する系列店の「ドルチェかき氷 熱捨(ねつすて)」で人気のかき氷「8層マサラチャイソース&ババロア」をスイーツにしました。
ほかにも、スプーンで食べる大きめサイズの「スイートポテト」や、フルーツ入りの「水まんじゅう」、無添加の手作りドリンク「クラフト檸檬コーラ」も好評です。コーラは8種類のオリジナルブレンドスパイスに生レモンと国産きび糖で仕上げました。水は一滴も使わずレモン果汁だけ。こちらはオンラインショップでもご購入いただけますよ。
──おはぎからスパイス系まで幅広いですね! スイーツ以外の名物も気になるのでおすすめを教えてください。
お惣菜では、創業以来のロングセラー「焼豚足」。野菜と一緒にトロトロになるまで4時間ほど煮て、焼いています。濃いめのダシが効いただし巻卵がメインの「福巻寿司」もロングセラーですね。
また、ネパール出身社員・コイララが作る本場ネパールカレー「コイララカレー」(弥永店のみ)は毎週水曜日販売で、昼前はに完売する人気商品です。洋食では、フランス料理界最高の名誉のひとつとされる「ディシプル・ド・オーギュスト・エスコフィエ」の称号をもつ青野シェフが作る「エビクリーミーコロッケ」、「ハンバーグ」、「チキン南蛮」(各店で毎月の実演販売日のみ販売)もファンが多いです。
売り場は、ネパール出身社員・コイララがバイヤーとして仕入れた、現地さながらの「スパイスコーナー」。バスマティライスやスパイスなどが並び、県外からもお客様が訪れます。「アジア&韓国コーナー」には韓国食材、菓子、酒を集め、種類豊富なチャミスル、生マッコリなどもあります。目利きのバイヤーがSNSやメディアで今話題の商品、おいしいと評判の商品を全国各地からすぐ入荷する「お取り寄せグルメ」も「あの商品がダイキョーにあるなんて」とお客様から驚かれることが多いですね。これらは、旅行が難しい状況下でも旅行気分を楽しめるとご好評をいただいています。
また、毎週日曜9〜12時に全店で開催している「日曜朝市」は、いうなれば昭和のマルシェ。野菜や惣菜、焼豚足や焼そばパンなど店頭販売する市場さながらの雰囲気が特徴です。
──実に盛りだくさんで、世の中が落ち着いたらダイキョーさん目当てに福岡を目指したくなります。全国のみなさんから大きな反響がありました。
大変恐縮しており、感謝申し上げます。
このような時期ですので、食べ物で家庭が明るくなるようこれからも商品開発を行ってまいります!
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「はぎトッツォ」だけでなく、驚くほど名物がてんこもりでしたね。お近くの方が羨ましい限りです。「はぎトッツォ」の最新販売状況やそのほかの商品紹介などは随時ツイッターで公開されているので、ぜひチェックを。
◾️ダイキョー@福岡の地元スーパー。長崎五島にも店舗あります
ツイッター https://twitter.com/daikyovalue
◾️「ドルチェかき氷熱捨(ねつすて)」
インスタグラム https://instagram.com/netsusute/
2021年5月オープン。※10月31日までの期間限定(予定)。
旬の果物を使い、ソース、練乳、トッピングなどを手作りしたドルチェかき氷が味わえるそうです。