酔いつぶれ、そのままお気に入りのスナックに泊まりたい。決して口には出せない中高年男性の願望をかなえてくれる場所が青森県にあります。繁華街のスナックビルそっくりの通路は実は廊下、昭和テイストの看板がルームサインというホテルです。「ニューうさぎ」「ぴちぴち」「クイーンナイト」の扉を開けると…。ここからはオトナの時間、コドモは帰りなさい。
まつじさん(@matsujun5213)が投稿した昭和のスナック街を思わせる画像。「プードル」「愛人」など扉の向こうに妖艶なママを勝手に妄想したのでしょうか、ツイッターユーザーが激しく反応しました。「愛人に泊まりたいです。…いや、ぴちぴちも捨てがたい」「かなりそそります」「朝帰りなら経験あるけど、泊まるのはまだ」などと大喜び。3万超のいいねが集まりました。
このホテルは、青森県弘前市の歓楽街、鍛治町地区にある簡易宿泊施設「GOOD OLD HOTEL」。かつてスナックやバーが入居していたテナントビルの2階部分をホテルにリノベーションし、2020年7月にオープン。キンキエステート(大阪市)が経営しています。
11ある部屋から漂うのは栄華の日々です。外装やドア、看板を生かしつつ客室に改装しており、かつてボトルが並んだ酒棚や年季が入ったシャンデリア、「明るく楽しく明朗会計」と書かれた防犯協会の加盟店ステッカーが張られた扉など、お店いやお部屋ごとに異なる雰囲気を味わえます。ホテル前には、現役だったころのスナックのポール看板が残っています。
まつじさんが選んだのは「ターゲット」でした。弘前市内で独自性のある宿を探していたところ、このホテルを発見。宿泊金額が2名分で約6800円と手頃で、スナックの棚が残されていて、当時の雰囲気を感じられるだろうと思ったそうです。「スナック街の再現という試みに気持ちが高まりました。残されていたものを有効活用して、新しく独自性のある使い道としたことはいい試みだと思いました」と振り返ってくれました。
キンキエステート不動産再生事業部の野村昇平さんによると、人気のお部屋はDen、ターゲット、愛人あたりとのこと。野村さんはウッド調の室内が落ち着いた雰囲気を醸し出す「プードル」がお好みだそうです。「リノベにあたって重視したのは意識したのは廊下の雰囲気です。暗すぎず明るすぎない照明で、店の看板がより目立つよう意識しました」と話します。
同ホテルが入るテナントビルの1階にはスナックがあります。ホテルの担当者は「こちらのスナックもご利用いただくなど、弘前観光をぜひお楽しみください」と話していました。GOOD OLD HOTELのHPはこちら→https://goodoldhotel.com/
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「自分が体験した、全国の誰が行くねんって感じの珍スポット、珍グルメ、ええ店、ユニークな方を忘れないように」と、まつじさんはブログでも情報発信しています。コロナ禍が落ち着いたときのお出かけ先として、(1)驚くほどおいしい武川米が食べられる山梨県北杜市の武川町農産直売センター(2)大きな生の岩ガキの魅力の夏の隠岐の島(3)個性的なサンドイッチや昆布の品揃えがある富山県立山町のコンビニ「サンダーバード」を挙げてくれました。ブログはこちら→http://tanoshii-daisuki.com/about/