夜鳴きがひどく、癖のある性格…しかし「今後も行くところがない」と言われて この猫を絶対幸せにすると決意

渡辺 陽 渡辺 陽

茶太郎くん(3歳・オス)は、2018年7月、神奈川県のとある住宅地に1匹でいたところ、ボランティアに保護された。まだ生まれて数日しか経っていないようだった。

生後3カ月の時に譲渡サイトに掲載され、里親希望者とお見合いをすることになっていたがキャンセルされた。その後も何度か希望者が現れたが、トライアルまで進めなかった。やっと生後8カ月の時にトライアルに行ったが、夜鳴きがひどく、先住猫との相性も悪いと返されてしまったという。

同じ頃、神奈川県に住むMさんは、譲渡サイトで茶太郎くんを見つけて一目惚れしたが、既にトライアル先が決まっていたためあきらめた。

「残念でしたが、新しいお家が決まってよかったとも思いました」

しかし、保護団体のブログに茶太郎くんが戻されたと書かれていたため、すぐにお見合いを申し込んだそうだ。

猫と暮らしたい

Mさんは、イギリスに留学していた。

「ホームステイ先に2匹の猫がいて、『猫と暮らすってなんて幸せなんだろう』と思いました。日本に帰ったら、保護猫を飼おうと思っていました。一人暮らしで、平日は家にいないので子猫の世話はできない。引き取るなら1歳以上の猫で、2匹にしようと決めていました」

5月中旬、Mさんは小田原の預かり主の家を訪問して茶太郎くんに会った。生後10カ月くらいになっていたが、まだ子猫のあどけなさがどこかに残っていて、「なんて可愛い猫なんだろう」と思ったという。その後、トライアルが始まった。

Mさんの家に来た茶太郎くんは、興味津々で家の中を歩き回った。数日間は夜鳴きがひどく、また2日後に保護団体から引き取った文吉(もんきち)くんとも仲が悪かったので、一緒の部屋にすることもできず、初めて猫を飼ったのでどうしたらいいのか分からず右往左往したという。

元気いっぱいの破壊王

困り果てたMさんが文吉くんを譲渡してもらった保護団体のボランティアに相談すると、「『茶太郎くんは癖のある性格なので、Mさんが引き取れなかったら今後も行くところがなくていろいろ難しいでしょうね』と言われたんです。その時、絶対にうちで幸せにしてあげようと思いました」。

茶太郎くんは文吉くんのおもちゃを取ったり、首を噛んだりするが、なんとか同居人として互いに認め合う存在になったそうだ。台風が来てマンションの1階が水没した時は、一つのキャリーバックに2匹を入れて近くの中学校に避難したそうだが、一晩2匹は大人しく過ごしてくれたそうだ。

元気いっぱいで、破壊王の茶太郎くん。すっかり幸せ太りして、今では体重6キロの大きな猫になったという。

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