猫ちゃんの異変にいち早く気づくため…「『弱み』を見せてもらえる飼い主」になれていますか

獣医師 直良 拓朗

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愛猫ちゃんを守るには病気の「早期発見」が重要です。猫ちゃんの異変にいち早く気づくことで病気の重症化を防ぐことができるような飼い主さんになりたいですよね。そのためには、猫ちゃんが弱みを見せてくれるということがとても大切になってきます。

【ポイント】
・猫ちゃんとの触れ合いは、早いほうがいい
・猫ちゃんが心を開くと、病気も発見しやすい
・親密になるほど、猫ちゃんのストレスが緩和される

ヒトとネコ、そしてイヌなど、動物の種類によって身体のつくりはもちろんのこと、生活スタイルにも異なるポイントがたくさんあります。

たとえばヒトやイヌは集団で行動する傾向にある動物ですが、ネコ(イエネコ)は単独で行動する傾向にある動物です。他の動物に比べて警戒心が強いようです。そして、自分の身は自分で守るという意識も他の動物と比べて高くなるはずです。もちろん個体差はありますが、イヌと比べてネコは他の動物にはあまりなつかない傾向にもあります。

生後2カ月齢までに人間と触れ合った猫ちゃんは、それ以降に触れ合った猫ちゃんよりも、飼い主さんの膝の上にのったり、一緒に遊んだりなど、スキンシップやコミュニケーションをとることが増えるという研究結果があります。猫ちゃんは早期に人間との触れ合いを経験すると、なつきやすく、心を開きやすいようです。

病気の早期発見には…「親密度を高める」ようにして

さて、ここからは守るべき愛猫ちゃんの病気の早期発見についてお話をしていきます。

たとえば、私たち人間が何か体調不良になるとします。お腹が痛い、頭が痛い、なんかだるい。そんな時に、仲の良い家族や友人にはそのことをしっかりと伝えられますよね。それでは、自分が心を開いていない他人にこのことを伝えるでしょうか?おそらく伝えないはずです。

特にネコの場合、警戒心が高く、自分の身は自分で守るので、他者に弱みを見せないようにしています。しかし、家族との親密度が高い猫ちゃんの場合は、家族への警戒心が下がり、弱みを見せられる相手として、自分が体調不良になったときにそのサインや症状を見せやすくなります。猫ちゃんが家族に心を開いてくれることが、病気の早期発見につながるのです。

親密度が高くなると早期発見以外にもメリットが!

家族への警戒心が低くなれば、一緒にいてもリラックスして過ごすことができますし、愛情も生まれるでしょう。つまり、家族との親密度が高くなれば、猫ちゃんのストレスが緩和されるのです。

ネコとヒトは違ういきものであることを認めながらも、いかに心的距離を縮められるかは、愛猫ちゃんの生活の質を高める上でとても大事なことです。猫ちゃんのことをもっとよく知り、適切なコミュニケーションをとることで、健康的で豊かなキャットライフをおくりましょう!

◆直良 拓朗(なおら たくろう)島根県出雲市出身、1991年生まれ。宮崎大学獣医学科卒業。大学時代は再生医療やiPS細胞の研究に着手。卒業後、動物救急医療を中心に小動物臨床に従事。愛する動物たちの最期をたくさん見送った経験から、動物予防医療の発展を決意。現在はペットライフに関する教育や研究や経営を中心に展開している。▽東京都、神奈川県、千葉県、静岡県内の動物救急医療センター 獣医師として歴任▽(株)Pet Life College 代表取締役社長▽動物予防医療研究協会 代表理事▽愛猫ちゃんのためのお役立ちビデオ講座『ネコデミー』でも講師を務める

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