進化する食玩、今や「戦わなければ購入できない」アイテムに 発売初日の争奪戦に挑んだ記録

宮本 裕也 宮本 裕也

食玩とは、食品玩具の略。お菓子や飲料の「おまけ」としてつく玩具のことだ。

例えばペットボトルについてくるキーホルダーや、チョコレートウエハースについているシールなども食玩に含まれる。筆者も子供の頃、「おまけ」が欲しくて親にねだった記憶がある。そんな「おまけ」だったはずの食玩が、今では大人のコレクションとしても楽しまれるアイテムになっている。大人買いや転売目的で大量に購入され、食品が廃棄されるといった問題も起きているのだ。商品の人気は過熱する一方で、実は日々、争奪戦が繰り広げられている。

「仮面ライダー龍騎」の食玩争奪戦

何を隠そう、私は「SO-DO CHRONICLE 仮面ライダー龍騎」という食玩を集めている。

「仮面ライダー龍騎」とは、2002年2月からテレビ朝日系列で放送されていた大人気特撮シリーズ「仮面ライダー」のひとつである。モンスターと契約し、カードを使ったライダー同士の戦いを描き、2019年には「仮面ライダージオウ スピンオフ RIDER TIME 仮面ライダー龍騎」が作られるなど、今でも根強い人気がある。キャッチコピーは「戦わなければ生き残れない!」。

そんな「龍騎」をフィーチャーした商品では、お手頃な価格でライダーたちのフィギュアを集めることができる。さらに技術の進歩によって、関節などの可動域も大きく、劇中の名シーンを再現できるようになった。各ライダーの特徴的な武器も精巧に作られ、ファンにはたまらない仕様になっているのだ。種類を集めることで、劇中になかったライダー同士の戦いも自分の手で作り上げることができる。まさに最高の食玩であると言えよう。

簡単に手に入らないライダーたち

しかしこのライダーたち、なかなか簡単に手に入らない。人気商品のため、量販店では売り切れになることもある。さて、それはなぜか。

アソートと呼ばれる1BOXに入るキャラクターには限りがあるため、どうしても納品数が多いものと少ないものが出てくる。発売されるや否や、SNSなどでは「××がアソート1とか、絶対争奪戦になるやん!」といった悲鳴が相次ぐことも。どうやら背景には、人気のライダーを大人買いし、オークションサイトで販売する「転売ヤー」の存在があるようだ。発売日にその商品名をオークションサイトで検索してみると、確かに同じライダーばかりが並び、中には高値で取引されているケースもあった。 

手に入らない…ならば争奪戦に参戦だ!

前回の争奪戦に私は負けた。

「SO-DO CHRONICLE 仮面ライダー龍騎」にラインナップされていた「仮面ライダーナイト」は私にとって思い入れのあるライダーだったが、発売初日の午後の時点で、店頭ではすでに売り切れていたのである。「生き残れなかった」…。

この商品含め、実は食玩は発売日前でもネット購入することが可能だ。しかし箱買いが基本。私のように一部のライダーだけが欲しい場合は、どうしても初日にリアル店舗に出向く必要がある。

私も戦いに勝利するため、争奪戦に挑むことを決意。今回は「SO-DO CHRONICLE 仮面ライダー龍騎2」の中でも特に大好きなライダー「仮面ライダーナイトサバイブ」「仮面ライダー王蛇」をどうしても手に入れたい。

初日のオープン時間、私はお店へ走った。発売日が平日だったということもあり、幸い店内のお客さんはまばら。しかし、お菓子売り場にはお客さんがすでに2~3人いた。私と同じく「仮面ライダー」や同日発売だった「ミニプラ 全界合体シリーズ05 ゼンリョクイーグル」を求めていたようだった。

私が商品をカゴに入れて売り場を離れると、次のお客さんがあるライダーだけを大量にカゴに入れ、レジの方向へ消えていった。もしかしたら観賞用と分けているのかもしれない。そんな淡い期待を抱きながらそっと手元を見ると「ナイトサバイブ」が大量に抱えられていた。「これでこの売り場の『ナイトサバイブ』はいなくなったのか」と悲しくなった。

争奪戦を終えて

今回は間一髪サバイブできたが、戦いは続く。2022年3月には「SO-DO CHRONICLE 仮面ライダー龍騎3」が売り出される予定だ。「仮面ライダー龍騎サバイブ」をはじめ、最強のライダー「仮面ライダーオーディン」や英雄になりたい「仮面ライダータイガ」など、コンプリートするためには避けて通れないラインナップとなっている。ライバルや転売ヤーとの戦いは続く。

それではみなさん、ご唱和ください。「戦わなければ生き残れない!」

【仮面ライダー食玩ポータル】
https://www.bandai.co.jp/candy/characters/rider/index.html

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