滋賀県レッドデータブック2020年版で絶滅危惧種に位置付けられている水生昆虫「コガタノゲンゴロウ」が約30年ぶりに滋賀県内で発見され、滋賀県草津市の琵琶湖博物館に展示されている。11月28日まで。
コガタノゲンゴロウは、ゲンゴロウより一回り小さく、腹部全体が茶褐色なのが特徴。今回の個体は体長28・5ミリの雌で、滋賀県長浜市の小学生、天守証君(8)が昨年9月に市内の水路で見つけた。ゲンゴロウに似ていたが、県内では絶滅種とされていることから疑問に思い、同博物館に写真を送り、特定してもらった。
金尾滋史主任学芸員によると、生息地の環境変化で数が減り、県内では1989年以降は発見されていなかった。ただ近年では京都府や三重県など近隣でも見つかっているため、今回の個体は他地域から飛来してきたか、誰かが飼っていたものを放した可能性もあるという。
天守君は「川で見つけた時はすごくドキドキした。僕の住んでいる町で見つかったことがうれしい」とコメント。金尾さんは「皆さんの身近にもいるかもしれないので、注意して観察して」と呼び掛けている。
同館では水族トピック展示と題し、今回発見されたコガタノゲンゴロウの標本とともに他県で採集された個体の生体展示なども行っている。