いよいよ紅葉シーズン突入!京都の紅葉、今年は少し早め? 見頃や鮮やかさを樹木医が予想、おすすめポイントも

 コートが必要な季節に入り、京都市内ではモミジ(イロハカエデ)などが赤く色づき始めている。例年であれば、京都の紅葉の見頃は11月下旬~12月上旬頃だが、今年は少々早めの紅葉となっている。さらに、大阪管区気象台が発表する3カ月予報によると、12月からは「寒い冬」になりそうだ。今年の見頃は早まるのか、そして鮮やかに色づいてくれるだろうか。

■早くも名所が色付き始めています

 京都市内は10月下旬から急に冷え込み、歩調を合わせるように紅葉が進み始めた。11月8日現在、名所として知られる東福寺(東山区)や永観堂(左京区)で色づきはじめ、京都府立植物園(左京区)では早くも見頃となり、赤くなったモミジが水面に映る光景が見られた。

 京都府立植物園の樹木医、中井貞さんに今秋の見通しを聞いてみた。

 モミジは朝の最低気温が10度を下回ると色づきはじめ、8度以下で急速に赤くなっていく傾向があるという。確かに、10度以下になってから色づきが進んできた。

■例年なら11月下旬から12月上旬が見頃だが、今年は…

 気象庁のデータで、京都市の最低気温の平年値をみると、10度を下回るのは11月8日頃、8度を下回るのは11月18日頃だ。例年、京都市で葉の大半が赤く染まるとされる「紅葉日」(京都地方気象台調べ)は12月5日となっている。

 しかし、今年は10度を下回る日が10月下旬からあり、晩秋からはさらに寒くなると予想されている。大阪管区気象台によると、11月半ば以降の気温は「平年並みか低い」予想で、12月はさらに寒気が入りやすくなり、その傾向が強まるとみられるという。

 中井さんは「10月下旬の冷え込みも影響し、今年の紅葉は少し早めになるのでは」と推測する。

■年ごとに変わる鮮やかさ、今年の見通しは

 一方、紅葉の美しさはどうだろうか。実は、気象条件によって「鮮やかさ」は年ごとに異なる。鮮やかに色づくための条件は、寒暖差と日照時間、適度な降水。厳しい暑さや乾燥、秋に暖かい日が続いた年は、色づきが悪くなる傾向がある。

 気象庁のデータによると、今年の京都市は、7~8月は大雨となった。日照時間は8~9月に平年を下回ったが、10月は多かった。ここまでは好条件だが、10月上旬に残暑が厳しくなり、10月の降水量は平年の3割弱と乾燥した。

 中井さんは「日照時間は十分。10月下旬以降は冷え込み、寒暖差も出ている。10月の残暑の影響が心配だが、きれいな紅葉が期待できるのでは」と話す。

 もうひとつ気になるのは12月の寒さ。あまり低温になると、見頃が早く終わってしまうのではないか。中井さんは「それよりも、強い雨風や風雪になると散ってしまう」とし、気温よりも天候の方が影響を与えやすいという。

■実は郊外の方がきれい?

 長期的にみると、京都市は都市化が進んだことで気温が高くなり乾燥した。地球温暖化の影響も加わり、昭和時代の鮮やかな紅葉が失われている面もあるという。同じ京都でも、冷え込みが厳しい山沿いや郊外の方が、美しい紅葉を楽しめるかもしれない。

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