台湾の街を歩いていて目に飛び込んでくるものといえば、おいしい食べ物にドリンク、エネルギッシュなローカル市場、プチプラ雑貨が山盛りのお店などですが、実際に住んでみると、もっと気になるものがあります。それは、自由に生活するペット達の姿です。動物との暮らしが自然に生活の中に溶け込んでいて、日本では規制がかかっているような場所でもイヌがごろんと寝ている光景を目にします。今回は筆者が台湾で8年半ほど生活した中で目にした「こんなところにイヌ!?」というシチュエーションを紹介します。
政府のコロナ情報キャラクターも
イヌパラダイスの台湾で、一番人気の犬種は柴犬です。街なかでも柴犬を散歩させている人をよく見かけます。台湾ではなぜか、イヌをベビーカーのようなカートに乗せる人が多く、座席におとなしく座って移動する柴犬の姿も珍しくありません。
コロナ対策で大活躍だった政府の衛生福利部(健康や衛生を管理する省)のキャラクターも柴犬です。名前は「総柴」(読み方はゾンチャイ)。部の担当者のペットだそうです。
メッセージアプリに登録すると、総柴の写真入りのコロナ関連のお知らせが受け取れます。総柴からのメッセージは最高に癒やされるので人気があり、筆者も迷わず登録しました。コロナ対策が厳しく、多くの人がストレスを抱えている中、こんなかわいいお知らせをくれる台湾のゆるさが筆者は気に入っています。
バスの車窓から見た衝撃の光景
バイクに乗るイヌは台湾名物と言っても過言ではありません。
電車やバスが発達している台北でもバイクに乗る人はとても多く、バイクにイヌを乗せている人もしょっちゅう見かけます。台湾のイヌは、運転手の足元に座るのが一般的。イヌも慣れているようで、上手にバランスを取りながら座っています。
以前、バスに乗っていた時、車窓から驚くような光景を目にしました。信号待ちをしているバイクから大型犬が自ら降り、道端の茂みまで進むと用を足したのです。信号が変わる直前、飼い主のおじさんが指笛を吹くと、イヌはササッと急いでバイクに戻り、何事もなかったように元の位置に座りました。「あの犬、勝手に降りたけど大丈夫なん?あ、用足して戻ってきた!賢い!!」。おじさんとイヌの乗ったバイクを見送りながら、1人でしたが我慢できずに肩を震わせ笑ってしまいました。
カフェに同伴も当たり前
公共交通機関での動物の持ち込みはケースに入れていたら可能だそうです(動物の種類やケースのサイズ等、条件はあります)。数年前、台湾新幹線「高鉄」(読み方はガオティエ)に乗った時、チケット売り場でリュックサックから顔だけ出す柴犬を目撃したことがあります。慣れているのかおとなしく、後ろに並んでいる人をくんくんと嗅いだりしていました。
日本の飲食店では衛生上の問題などで盲導犬など特定のイヌ以外は入れないお店が多いですが、台湾では隣の席の足元でイヌがおとなしく座っているシチュエーションによく遭遇します。高級レストランなどでは例外もありますが、一般的な飲食店ではごく普通の光景です。つい先日も、鍋料理店でポメラニアン同伴で料理を楽しむ人を見ました。膝に座ったりテーブルに足を乗せて立ってみたり、飼い主と一緒の時間を楽しんでいるようでした。
イヌ好きの方が台湾に来られた際は、店先や広告など至る所に溶け込むイヌたちに注目してみてください。