「今日、大学4年生の子と面談して、何か質問ありますか?って聞いたら
『貴社は今ちょうど100名を超えたあたりで、もともとのカルチャーが薄まったり、組織的に色々課題が生まれる時期かと思っていたのですが、それをどのように乗り越えるかとか、具体的な施策を教えてください』
って言われて震えた。」
就活生を面接をする側の緊張をつづった告白がSNS上で大きな注目を集めている。この告白の主は健康管理システムの企画・開発・運営を手がける株式会社iCAREでセールスマネージャーを務める梅田翔五さん(@job_and_life)。
この就活生は数社のインターンシップに参加する中で既に約2年間は社会人同様の経験をしていたというが、それにしてもその質問の鋭さには驚かされるものがある。梅田さんの投稿に対しSNSユーザー達からは
「素晴らしいですねー!!!
弊社はまだ新卒採用していないですが、こういった方々がいらっしゃるというのなら、日本の未来は明るいですね!!」
「確か、一人の人間が認識(管理)できる数が150名程度だったと思う。それと100億円(今は、もうちょっと額は上かもしれないが)が個人の能力で持っていける売上高だと聞いた気もある。(そこからは、組織をきちんとさせないと、経営者の力だけでは無理。)そこをついてくるこの子は、極めて優秀。」
「組織が拡張していく経験や、組織運営していないとわからない感覚だと思うので、経験によるところが大きい気がします。
大学生のうちにその経験ができているのはすごいですね。」
「へえー 昭和の人間には到底考えられない感覚だな。頭が良いのか馬鹿なのか、よくわからん。ずいぶん恵まれた時代になったもんだ。選ぶ側、評価する側になってんだもんな。」
「これは今の偏差値60くらいの小秀才がこういった経営学の基本的な知識を尊んでいるということだけかなと思います。戦力になるのは事実ですが、大昔のマルクスかぶれや少し前のコミュ力かぶれとレベルは変わらなさそう。」
などさまざまな感想が寄せられている。
梅田さんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ(以下「中将」):就活生からこの質問を受けた時の心境をお聞かせください。
梅田:シンプルに驚きました。自分が会社のカルチャーや、組織単位での課題なんてのを意識し始めたのは、30になってくらいから。まだ正式に社会に出る前から、組織について考えるこの学生の視座の高さは、本当に素晴らしいと感じました。
中将:梅田さんはこの質問に対しどんな回答をされたのでしょうか?
梅田:「まさにその100人の壁というものに、我々iCAREも課題を感じています。我々がカルチャーを浸透させるためにやっていることとしては
『カルチャーの体現度を評価項目に組み込んでいる』『日々の会議やSlackで、カルチャーに則した行動を取っている者を褒める称賛する』『日々口に出す』
などがあります」
と回答しました。
中将:近年の就活生の傾向について感じることはありますか?
梅田:弊社は新卒採用を積極的にはやっていないので、そこまで詳しくはないのですが、働くということに対して当事者意識が高い子が昔よりも多いと感じます。35歳の僕なんかの時代は、大手に入れば一生安泰という価値観がまだ主流でしたが今の学生は、自分でどんなスキルを身に着け、それをどのように労働市場で評価と結びつけていくかという視点を持っている方が増えているのではないでしょうか。
中将:今回のSNS上の反響についてどのような感想をお持ちでしょうか?
梅田:この学生の発言に対して素直に褒める方と、こういう頭でっかちな奴はダメというような批判的な方で、二極化したのは勉強になりました。同じ発言に対しても、捉え方がここまで異なるのかと。どちらが正解か僕にはわかりませんが、若い人でも優秀な方はたくさんいますし、自社はそういった方々を伸ばせる環境にしたいなと強く思います。
梅田翔五さん関連情報
Twitterアカウント:https://twitter.com/job_and_life
株式会社iCARE
ヘルスケア領域にてSaaSを展開しているスタートアップ。事業拡大中につき人材募集中。
本社所在地:東京都渋谷区恵比寿1丁目23-23 恵比寿スクエア 5階
公式サイト:https://www.icare.jpn.com/
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インターンシップ制度の普及やインターネットを通した情報共有の促進により、学生と言えども"未熟者"と断じることはできない情勢になっているのは確か。これから時代、面接を担当する人は「採用してやる」という意識ではとうてい有用な人材を確保できないだろう。