「運動、めちゃくちゃ苦手なんですけどね」
そう語るのは、ぽっちゃり体型の主婦Sさん。先日、子どもを柔道の体験会に連れて行ったところ、なんと彼女が師範に目を付けられ熱烈な勧誘を受け続けるという、まさかの事態が起きました。
「いや、私はただ子どもを連れてきただけで、見学する気満々だったんですよ。でも、師範が最初からずーっと私を見てるんです。他のママ友が一緒にいるのに、目が合うのは私ばかり。なんだろうと思ったら、突然『お母さん!柔道やりましょう!』って…。いや、何で私?」
やらないですけど⁉︎
確かにSさんはがっしりとした体格で、師範の目には“未来の有望選手”として映ったのかもしれません。しかし本人は、「運動神経ゼロ」であると笑います。
「体育の授業、好きだった記憶が一つもないです。走れば遅いし、跳べば低いし、水泳なんて浮いてるのがやっと。そんな私が柔道なんて、どう考えても無理でしょう?」
それにもかかわらず、勧誘は止まらないとか。
「週に1回、子どもの稽古に付き添っているんですけど、師範が必ず声をかけてくれるんですよ。『ぜひやりましょう!』って。断るたびに『大丈夫、できますよ!』とニッコリ。あのキラキラした目で言われると、本当に困るんです」
本人は「絶対にやりません!」と言いつつも、最近は妙なプレッシャーを感じるようになったとか。
「柔道場の近くを通ると、師範がどこかから飛び出してきて『お母さん、今日も待ってましたよ!』とか言うんじゃないかってビクビクしてます(笑)。本当にそんなことはないんですけどね。」
期待されて揺らぐ心…
それでも、師範の情熱に負けそうになる瞬間があると言います。
「もし一度だけ体験して、すぐにギブアップしたら諦めてくれるかな?って考えたこともあります。でも、下手にやったら『これから鍛えていきましょう!』って逆に燃えそうで怖いんですよね」
取材を終えた記者の私も、師範の熱意がどれほどなのか気になってきました。いくらなんでも体型だけで勧誘はしないと思いますが…もしかしたら、師範はSさんに何らかの素晴らしい素質を見出しているのかもしれません。
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公益財団法人・東京都柔道連盟(https://tojuren.or.jp/news/20230103.html)のHPには、柔道がもたらす身体的・精神的なメリットが記載されています。年齢を問わず、健康増進と維持が期待できるとか。
師範の期待に応えて、柔の道に思い切って踏み込んでみるのも良いのでは…。
思わず、近い将来に柔道場でSさんが黒帯を締めている姿を想像してしまいました。
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