保健所から引き取った子犬を抱く少年「優しい心が伝わる感動の写真」が話題 二人とも大きくなりました

太田 浩子 太田 浩子

「保健所から引き取ったばかりの頃のかわいい写真です。この後二人とも思っていた以上に大きくなりました」

と写真をツイートしたのは「テラゾー(@TerazoDog)」さん。そこにはピンクのポッコリお腹を見せて、少年の腕の中ですやすや眠る白い子犬が写っています。写真は、保健所から子犬を引き取って5日目の2013年5月に撮られました。12歳の少年の腕の中にすっぽり入ってしまうほどのサイズだった垂れ耳の子犬は、8年の間に大きな立ち耳が特徴の24キログラムの立派なワンコに、そして少年は大学生になりました。

「この時から、二人には言葉も、いらない兄弟になったのですね(*^_^*) テラゾーくんのポンポンカワイイ」
「幸せそうです」
「テラゾー君の命を救い、抱っこして見つめている息子さんの優しい心が伝わる感動の写真ですね」
「寝顔可愛い♥ 癒されます❤」
「とっても素敵な写真ですね ほっこりさせていただきました」
こんなリプが集まり、ツイートには3.6万以上の“いいね”がつきました。

 「テラゾーは、人が大好きで全ての人間が自分のこと好きだと勘違いしているよう」と話す飼い主さんに、撮影当時のことを聞きました。

──テラゾーくんを大切に思っていることが伝わる素敵な写真ですね。このとき、どんな状況だったのですか?

 テラゾーが寂しがってずっと鳴いていたので、息子が抱っこをしていたら、そのまま安心したのか寝てしまったときの写真です。

──テラゾーくんとの出会いはどんな?

 息子が3歳ぐらいのころまで保護犬を飼っていました。17歳まで生きていましたが老衰でなくなりました。その後、引っ越し等で犬を飼う環境になかったのですが、やっと環境も落ち着いて息子も犬の面倒を見ることができる年齢になったことから、また犬を飼うことを決めました。これまでずっと保護犬と暮らしてきたので、今回も譲渡会や保健所から探すことにしました。

 そして保護された犬の中に、山中に捨てられた犬の親子がいることを知り、実際に会いに行きました。既に母親には貰い手があり、飼育がむずかしい子犬が残っているという話でした。

──その子犬がテラゾーくんだったのですね。

 保健所からの譲渡には厳しい条件や決め事がありましたが、これまでも子犬からの飼育経験があったことから許可をいただくことができました。迎えに行った日は平日でしたが、新しい家族を迎えるということで、息子も中学校をお休みして保健所に一緒に行きました。それ以外は3年間無遅刻無欠席です。

 ちなみにテラゾーを迎えた保健所は、映画「ひまわりと子犬の7日間」の舞台となった場所で、譲渡の担当となった保健所の方は、堺雅人さんが演じた主人公のモデルになった方でした。偶然ですけれども。

──「ひまわりと子犬の7日間」は、保健所のお仕事や殺処分、命の大切さについて考えさせられる映画ですね。息子さんは保健所でテラゾーくんを「一生守る!」と言っていたとコメントされていました。2人は最初から仲良くなれたのですか?

 息子は一人っ子ですが、生まれたときから犬と暮らしていたので、すぐに仲良くなりました。テラゾ-の名前は、息子がつけました。寝るときも勉強するときも、とにかくいつも一緒にいました。

 少し大きくなってきた頃、テラゾーも好奇心いっぱいで引っ張る力も強くて正直散歩も困っていた時期がありました。息子が「ルックアップ」や「リーダーウォーク」を調べてくれて率先してしつけを行ってくれたのでずいぶん楽になりました。今ではちゃんと横について散歩できます。

──しつけもしたのですね! テラゾーくんは体も大きいですし、大切ですね。今も2人はいつも一緒にいるのですか?

 現在、息子は大学生で、県外で離れて暮らしています。帰省するときは「テラゾーに会いに帰る」と言って帰ってきます。

──仕方がないですけど、ちょっと寂しいですね。

 もともとテラゾーに会えない息子のために、テラゾーの写真をツイートしはじめました。今回の写真は、最近の投稿写真がマンネリ化してきたので、ひさびさに昔の写真でも投稿してみようと思ってツイートしました。するとすごい反響があったので驚いています。

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