「開けてびっくり、食べてびっくり!!」と掛け紙に書かれていて、買った瞬間から楽しみが広がる。描かれているタコは豆絞りの鉢巻きを締めて眉毛まであり、昔話に出てくるような愛らしいタッチで思わず吹き出してしまった。広島が誇る日本三景の宮島の大鳥居やモミジも薄い描写で花を添える。中には、たこめし、たこの柔らか煮、たこの天ぷらと、色々なタコ料理が楽しめ、広島菜の油炒めもしっかり入って広島らしさ満載の駅弁だ。
◇ ◇
たこの天ぷらが2切れ、たこの柔らか煮は3切れ。黄色で統一された細かい錦糸卵とギンナンと一緒に、たこめしの上にのる豪華なところがビックリたこめしの由来か。
天ぷらは塩の効いた歯応えのよい仕上がりで、たこの柔らか煮はタコらしさが一番感じられる文字通り柔らかい仕上がりだ。
たこめしにはゴボウ、ニンジン、あげに加え、わずかな量しか入っていないはずの青のり粉が風味をいっそう高めて印象に残る仕事をしている。もちろんタコの細い足の細切れはいいアクセントで、最高の仕上がりになっているのは疑いの余地がない。
おかずのコンニャク、ニンジン、里芋の煮物は薄い塩味。広島菜の油炒めはいい箸休めながら、いくらでも食べられそうな感じだ。
1080円。山陽本線・広島駅「広島駅弁当(株)」TEL082・286・0181