京都にあるトロッコ列車の駅の人気者「子ども駅長」 指さし合図「かわいい」と評判

京都新聞社 京都新聞社

 嵯峨野観光鉄道のトロッコ嵯峨駅(京都市右京区)のホームで「子ども駅長」として活躍している2歳の男の子がいる。小さな駅長帽子をかぶって、笑顔で列車を見送る愛らしい姿が観光客から好評で、嵯峨駅のアイドルとなっている。

 駅近くに住む野々村忠壮(ただあき)ちゃん。1週間に5日程度、始発便に合わせて駅を訪れる。ホームでは、駅員と「おはよう」とあいさつを交わし、列車に「しんこう!」と指さし合図をする。動き始めた列車を見送る際にはホームの先頭で手を振り、乗客からは「かわいい」との声も挙がる。

 歩けるようになった昨夏から散歩の途中で、父の忠大さん(34)と立ち寄り始めた。連日の来訪に気づいた同鉄道も忠壮ちゃんを楽しませようと、イベントで用いる子ども用の駅長帽子を昨秋から貸し出すようになった。昨年12月には顔写真や同鉄道のロゴマーク入りの「ちいさな駅長」と記した名札も用意した。

 昨春以降、同鉄道はコロナ禍で乗客が激減している。本多研二総務部担当部長は「つらい時期でも、にこにことした笑顔が社員の支えにもなった」と感謝する。

 散歩前には忠大さんに「トロッコいく」と話す忠壮ちゃん。踏切で列車が通り過ぎると喜ぶようにもなったといい、忠大さんは「駅に来るうちに、列車好きにもなったみたい」と笑う。

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