「海外旅行や短期留学は無理でも」インターナショナルスクールのサマースクールに熱視線、既に満員も

斉藤 絵美 斉藤 絵美

もうすぐ夏休みが始まります。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行で、去年からは過ごし方が一変した人が多いのではないでしょうか?海外旅行や短期留学もその一つ。そうした影響もあってか、英語が学べるインターナショナルスクールで夏休み前後に開かれる「サマースクール」が人気を集めているそうです。

「例年より1カ月ほど早い」

「保護者さんたちは、例年より1カ月ほど早く動き出している感じでしたね」。そう話すのは、学校法人「芦屋インターナショナルスクール」(芦屋市陽光町)のバルク・ジェイ校長。同校では、募集から2週間ほどで定員いっぱいになったコースもあったそうです。

このインターでは7月12日〜8月27日にサマープログラムを実施。外部の児童生徒も受け入れており、1週間単位で申し込むことができます。

対象は1歳半〜小学6年生。年齢や英語のレベルによってグループが分けられ、たとえばエレメンタリー(小学生)のクラスでは、「宇宙空間」や「天気」、「オリンピック」など週ごとにテーマを変えて、子どもの興味や関心を引くよう工夫をしているそうです。初めて利用した子どもは、なんと4割程度に上るといいます。

「インターナショナルスクール」という言葉はあまり聞き慣れませんが、文部科学省によると、主に日本で暮らす外国人の子どもを対象とした施設で、授業は大半が英語で行われます。学校教育法で「学校」として認められたものもありますが、多くは「各種学校」として扱われるケースが多く、その場合はインターに通っていても義務教育を履行したとはみなされませんし、学費もなかなかのもの。それでもネイティブな英語で国際色豊かな教育に触れさせたいと考え、日本国籍であっても通わせている家庭は一定数います。

これに対し、サマースクールは夏休み前後に実施されるため、普段は一般の幼稚園や保育園、小中学校に通わせている家庭でも参加させやすいのです。

コロナ禍でも「異文化経験を」

今年の“盛況”ぶりに、芦屋インターナショナルスクールの担当者は「明確な理由は分かりませんが」としながらも、「コロナで海外旅行が行けない中、子どもに異文化を経験させたいと思って選んでくれている保護者が多いのではないか」と推測しています。

また、2020年4月から、小学校3年生から英語教育が必修となったことも影響してか、「初めて参加する小学生も多いですよ」(担当者)とのこと。

神戸市灘区を含め各地に拠点を置くインターナショナルスクール「関西国際学園」も、例年より問い合わせが多かったそうです。6月以降に外部の児童生徒向けの募集をホームページにアップしたところ、初日から「外部生ですが参加できますか?」などの電話が相次いだといいます。

サマースクールは6月から始まる学校もありますが、日程によってはまだ空席がある施設もあります。授業料は学校や施設によって異なり、1週間で数万円〜10万円を超えるところもありますが、海外旅行ができないかわりに少しでも子どもに異文化に触れさせたいという人は、インターのサマースクールに通わせるというのも、選択肢の一つかもしれませんね。

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