「赤かぶ検事も怒った」京都市バスの運転マナー 今は大きく改善、その理由は?

京都新聞社 京都新聞社

 京都市バスの運転マナーは悪い-。こんなイメージを持つ市民は多いのではないか。

 昔はその通りだったようだ。1997年、「赤かぶ検事」シリーズで知られる作家・和久峻三さんの妻が市バスのドアに挟まれてけがをし、和久さんが「交通局には赤かぶ検事も怒っている」と憤慨したのは有名な実話だ。

 だが、今はそんなに「荒くない」のである。市バスの過失が大きい事故は94年度の430件から、2019年度は過去最少の75件へ激減。運転手のマナーには指標がないので、ここ15年間、京都新聞の読者投稿を調べたところ、苦情は26件で感謝を伝える投稿(37件)の方が多かった。

 内容を読むと、ひどい運転手もいた。認知症の夫を連れた妻に「そんな人を乗せないように」と言ったり、バス停で迷う修学旅行生に「乗るか乗らんか、はっきりしろ」と怒鳴りつけたり。しかし、視覚障害者の乗客を見て経由地を丁寧にアナウンスしたり、「今日も1日良い日になりますように」と乗客に声を掛けたりする温かい話もあった。同局は航空機の元客室乗務員を講師に招いた研修を実施している。効果は現れているようだ。

 ただ改善の最大要因はドライブレコーダーの導入だろう。同局に苦情が入っても不適切な言動を確認できないケースもあったが、今は一目瞭然。ドラレコが決め手となって処分された運転手もいる。

 数年前、話を聞いたある運転手は「無理な幅寄せや追い越しをする一般の車の方が悪質」と嘆いていた。ドライバーの皆さん、ドラレコの目は、バス運転手だけを見張っているわけではありませんよ。

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