トレンディドラマの代名詞『東京ラブストーリー』の放送から30年。昨年には伊藤健太郎、石橋静河ら若手俳優出演の令和リメイク版が製作されたことから、オリジナル版も約14年ぶりに再放送。「懐かしい!」「ポケベル!」などとネット上を賑わせたことも記憶に新しい。
カンチ(織田裕二)とリカ(鈴木保奈美)の仲を邪魔するキャラクター・関口さとみ役で女性視聴者を敵に回したのが、女優の有森也実(53)だ。ネット上では、放送当時「事務所にカミソリ入りの手紙が届いた」などと物騒なことも書かれている。そこまで嫌われるって凄い。ご本人もさぞかし傷心だろうと思って話を伺うと「普通のこと」とケロり。
ドラマ放送は今から30年前の1991年1月。有森は「確かに放送からちょうど30年。そんなに経つんですね~。すごい歳をとった気分。でもこうやって再び注目されるということは嬉しいこと。自分にとってありがたいドラマであり、女優人生でこのドラマに出会えたことは宝物」と感慨深い。
当時はもちろんSNSなどない。拡散ツールは限られているにも関わらず、社会現象化。「放送されるにつれて注目度がアップしていくのは肌で感じていました。高い視聴率もそうだし、放送時間帯の月曜夜9時には街から若い人がいなくなったと言われたくらいです。みんながドラマのようなトレンディな恋やデートに憧れたことから、衣料品もよく売れたそうです」と回想する。
カミソリ脅迫エピソードは実話
ネット上に書かれているカミソリのエピソードは本当の話。だが有森曰く「ごくごく普通のこと。当時はそういう時代というか、アイドルとのラブシーンがあるとその相手役にカミソリ入りのファンレターが送られたりとかはよくある話でしたから」と驚きに当たるエピソードではないと笑い飛ばす。
それに加えて当時は、演じた関口さとみというキャラクターがそこまで嫌われているとは思わなかったそうだ。「さとみってそんなに嫌われていたんだ!と知ったのはインターネットが広く普及し始めたくらいから。ここ10年くらいで関口さとみが嫌われているということを実感しました。でも嫌われても構いません。それだけドラマに没入してもらえたという証拠ですからね」と役者冥利に尽きる。
7月10日公開の映画『ねばぎば 新世界』には、『東京ラブストーリー』でリカと不倫関係にあった和賀夏樹役の西岡徳馬も出演。「30年も経つのにいまだに話題に挙がって話を聞かれるというのは凄いこと。それだけのインパクトを皆さんに与えたということですから。『東京ラブストーリー』はまさにお化けドラマ。ヒール役は好きなので、いつか関口さとみを超える嫌われ者を演じてみたいです」と記録更新に意気込んでいる。