暴風雨が吹き荒れるなか、縁側に現れた子猫 放っておけずに保護、多頭飼いのきっかけに

渡辺 陽 渡辺 陽

暴風雨吹き荒れるなか、現れた子猫

五郎くん(12歳・オス)は、2009年8月31日、台風11号の影響で暴風雨が吹き荒れるなか、東京都に住む酒井さん宅の縁側に現れた。

「数週間前から時折近所で見かけた子猫でした。この悪天候のなかを行かせるわけにはいかない、せめて今夜だけでも入れてあげよう。そう思って部屋の中央に猫のおやつのササミの燻製を置いて、縁側の引き戸を半分ほど開けたのです」

酒井さんは、子猫が入ってきたのを見計らい、外からそっと回り、引き戸を閉めて捕獲した。酒井さんも猫もずぶ濡れになった。「失敗したら次はない」という気持ちで臨んだという。

ゴロゴロ大きな声で鳴くから五郎ちゃん

五郎くんはやせ細っていて、見るからに栄養が足りていない感じだった。暴風雨の中を歩こうものなら、あっという間に吹き飛ばされてしまいそうだった。

ひとまずケージに子猫を入れると、最初15分くらい鳴き叫んでいた。しかし、じきに落ち着いて、ゴロゴロ言い始めた。酒井さんは、「これなら飼うこともできる」と、最初の晩に確信した。当時は先住猫のメインクーンが2匹いたが、そのうち1匹がよき遊び相手になってくれたという。

ゴロゴロ鳴く声が大きく特徴的だったので、五郎ちゃんと名付けた。酒井さんの名前(信一郎)から一字を与えた。

五郎ちゃんをきっかけに保護猫を飼う

子猫の頃はそうでもなかったが、成長するにつれて他の猫との相性が非常に難しい猫だということが分かってきた。相性の悪い猫をいじめてしまう。それが原因でチンチラゴールデンの桃ちゃんと保護猫の秋生ちゃん、夏子ちゃんの3匹は部屋を隔離して暮らすことになったという。

「ようやく意地悪しなくなったと思ったら、歯周病になり、歯周病が治ると、再び意地悪をするようになりました。難しいものです」

特技は後ろ足2本でニョローンと立ち上がること。若い頃はバランス感覚が良くて、後ろ足で立った体勢のまま1分くらい立っていることができたという。

酒井さんは、五郎ちゃんを迎える前までは、ペットショップで猫を買っていた。

「そこまでは一応『計画的』だったわけです。その後は五郎のように、見てしまったからには見捨てられず、飼うことになった猫が増えていきました」

現在のような二桁に達する多頭飼いをすることになったきっかけが、五郎ちゃんだったという。

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