ずっと「ファービー」だと思っていたのに!? 似て非なるペットロボット「ウブラブ」とは

天草 愛理 天草 愛理

 先日、同僚記者と昔のおもちゃの話で盛り上がっていたところ、「ファービー」が話題に上った。遊ぶうちに言葉を覚えるぬいぐるみで、約20年前に米国のメーカーから発売されると、世界的な大ヒット商品になった。当時は未就学児だった私も、ファービーが欲しくて親にねだって買ってもらった記憶があり、とても懐かしくなった。その週末、記憶を頼りに実家の自室を探してみた。たしかここに…、あれ?そこにいたのはファービーと似て非なるぬいぐるみだった―。

 体は水色でまつげは黄色、頭に紫色のアンテナが付いていておなかに紫色のハートマークがある。なんともポップな外見のこのぬいぐるみは「ウブラブ」というらしい。

 ほこりをかぶった箱を開けてみると、取扱説明書やウブラブについて紹介する「ウブラブものがたり」、ウブラブが産む「ウブラブベイビー」の名前などを記入する「ウブラブ母子手帳」が入っていた。ウブラブのおなかのポケットに紫色のベイビーもいた。

 買ってもらったばかりのウブラブで遊んでいると、わずか数分で出産し、あまりの早さに驚いたことは今も覚えている。ウブラブ母子手帳の生年月日の欄に母の字で「H12ねん8がつ30にち」とあった。

 ウブラブものがたりなどによると、ウブラブは世界中に流れ星がたくさん降った夜、流れ星に乗って宇宙からやって来たという設定。お花が大好物で、話したり歌ったりできるという。

 カラフルでポップな配色やぎょろりとした大きな目、会話ができる機能など、ファービーと共通している点も多くあるようだが、関連はあるのだろうか。ウブラブの国内での販売元「タカラ」とファービーの国内での販売元「トミー」を前身とする「タカラトミー」(東京都葛飾区)に話を聞いた。

 広報担当者によると、ウブラブは米トレンドマスター社が開発した商品で、2000年8月にタカラが日本語版を売り出した。一方、ファービーはもともと、現在の米ハズブロ社が1998年に発売し、日本ではトミーが1999年に販売を開始した。

 ファービーは「抱きしめたり話しかけたりして一緒に遊んでいるうちに成長し、言葉が増えていくおしゃべりペット」として話題を集め、わずか3年で世界で約4千万個を売り上げたという。2012年10月にはスマートフォンのアプリと連動する新モデルをタカラトミーが日本向けに発売した。

 広報担当者の説明では、ウブラブが店頭に並んでいた当時、多くの玩具メーカー各社がこうしたペットロボットを売り出していたという。

 ところで、ファービーが欲しかったはずなのに、なぜ我が家に来たのはウブラブだったのか。母に経緯を聞くと、「あんたがファービーやと信じ込んで『買って』って言うたんか、おじいちゃんがファービーやと思って買ってきたんか、どっちかとちゃう?覚えてないわあ」。真相は謎のままだ。

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