「失敗しない美容師選び」事前オンライン相談できます 関西発、美容師200人から選べるサービス開始

辻 智也 辻 智也

 美容室を訪れる前に、美容師3人にオンライン相談を受け、気に入った美容師を選んでカットやヘアセットできるポータルサイト「Change Me(チェンジミー)」が今年、開設された。ユーザーは実質無料で「失敗しない美容師選び」ができ、来店時の会話も最小限で済むため新型コロナ対策にもなる。全国的にも珍しい仕組みを、女子大生が体験した。

 「チェンジミー」を利用するには、まず無料でサイトに会員登録し、カウンセリングチケットを3枚千円で購入する必要がある。

 続いて、サイトに登録する美容師から3人を選ぶ。京阪神を中心に約200人の美容師が登録しており、「得意なカット」「サロンの特徴」「性別」などで検索して選ぶことができる。美容師のインスタグラムなどのリンクも張られているので、雰囲気が分かりやすい。

 美容師が決まれば、ネット上で対面して各15分ずつ相談を受ける。相談の日時は、希望を伝えて美容師と調整する。

 相談が終われば、3人の中から気に入った美容師を予約して来店し、カットしてもらう。店では、チケット代と同額の千円値引きを受けられるため、ユーザーは実質無料となる。値引き分は美容師側の負担だが、顧客獲得につながるメリットがある。

 今回、大学4年柿原寧音さん(21)と3年峰重乃々佳さん(20)に、オンライン相談を体験してもらった。

 柿原さんはショートヘア。「くびれショート」にしたいが、後ろ髪が浮いてしまうのが悩みという。

 オンライン相談では、「YAYOI~BRAINS fairy」(京都市下京区)の森川智さんの相談を受けた。数々のコンテストで受賞歴のある美容師だ。

 柿原さんは、以前に美容室で「短く」と伝えると、サイドを思った以上に切られたため「ボーイッシュになってしまって…」などと伝えた。森川さんは「女性らしい感じですね。前髪は伸びて邪魔なとき、どうしてる?」などと質問を重ねていく。

 また、森川さんが「頭の形を見たいんだけど」と尋ね、柿原さんに画面の前で横を向いてもらい、後頭部の髪の流れを確かめるシーンも。「軽くパーマかけた方がいいかもね」。こうした丁寧なコミュニケーションも、オンラインだと事前に可能だ。

 柿原さんは「すごく要望を聞いてくれて、襟足の浮きやすさとかは見ただけで分かってもらえた」と満足した様子で、森川さんにカットしてもらうことにした。「店に入った後は断れないけど、3人に相談する前提なので断りにくさがない」と話した。

 続いての峰重さんは、黒髪のロングヘア。病気の人に髪を寄付する「ヘアドネーション」のために伸ばしており、夏までに切る予定という。ただ、いつもは中国地方の実家でカットしており、京都市内の美容室に行ったことがない。

 相談は、「kaguyahime doui」(京都市中京区)の山本実夏さんに受けた。山本さんも複数のコンテスト受賞歴がある。

 山本さんは、画面に峰重さんの写真を大きく映し、水色のペンでカット後の髪型を描いていった。

 山本さんは「落ちてくる髪を耳にかけられるくらいのコンパクトなショートが似合うと思うよ」と、描き込みを見せつつアドバイス。会話だけよりも断然イメージしやすい。髪色なども画面越しに山本さんが雑誌を開き、「こんな色が似合いそう」とおすすめした。

 峰重さんは「写真やホームページだけでは新規開拓するのがちょっとハードルが高かった。事前にこれだけ話せるのはありがたいです」とうれしそう。「カラーリングやシャンプーの話など、基本的なことを教えてもらえたのも良かった」と話した。

 「チェンジミー」を開発・運営する美容総合商社「ガモウ関西」の陽田麗央さんは「互いにフィーリングを確かめてからカットでき、ミスマッチが防げる。なかなか思い通りのカットをしてもらえない方に利用してほしい。店での会話も少なくなり、コロナ対策にもなる」と話す。カットだけでなく、結婚式や成人式のヘアセットの際にも利用可能だ。

 「チェンジミー」は、年齢や性別を問わず誰でもユーザー登録できる。また、美容師は5月中旬現在、大阪65人、京都59人、兵庫37人、奈良17人、和歌山13人、滋賀12人が登録しており、まだ増える予定という。

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