女優・モデルさんが多く実践している「1日2Lの水を飲む」という美容法。とはいえ、水にも「水道水」「ミネラルウォーター」「炭酸水」「水素水」など、さまざまな種類があります。そこで、水ごとの特徴や、1日2Lの水を飲む効果について、血流にアプローチする美容整体師の小森博史さんに聞きました。
目安は、1日に「自分の体重×40ml」
小森さんによると、1日に水を2L飲む美容法は、「基本的に正解」だそうです。
「水は小腸で吸収されて血液やリンパ液などの体液に変わり、内臓から皮膚細胞まで全身を循環します。常に新しい水が補給されていれば、サラサラでよどみのない体液が、あまり補給されないと体内の毒素や老廃物でよどんだ体液が皮膚細胞に届くことになりますから、こまめに水を飲んだほうがみずみずしい肌づくりにつながります」。
「また、水には内臓の働きを助ける作用もあります。ただし人の体は、心臓や脳など、生命維持に必要な箇所に優先して水分を送るという特徴が。つまり、内臓に水分の余力がないと、皮膚や髪といった末端細胞には水が十分に届かないということです。皮膚や髪に対して外側からできるアプローチは2割程度と言われますから、体に水分が足りない状態で一生懸命お手入れをしても、期待したほどの美容効果は得られないのです」。
確かに、美容と健康は切り離せないもの。健康を目指すためにも、水の摂取は不可欠のようです。では、どれくらいの量を飲むのが適切なのでしょうか。
「推奨するのは1日に『自分の体重×40ml』です。飲み方は、1時間に200mlを目安に、チビチビと少しずつ飲むこと。少量ずつの方が体への負担も少なく、吸収率も上がります。特に、胃が疲れているときなどは、一気にたくさん飲むと内臓に負担がかかるので注意してください」。
なお、看護師さんによると、心不全や腎不全といった持病がある人は、水を摂りすぎないほうがいいのだとか。また、一気に大量の水を飲むと水毒症のリスクがあるので、あくまで「少量ずつ」をベースに飲みましょう。
最強は水素水。炭酸水は飲みすぎ注意!
水にもさまざまな種類がありますが、効果はそれぞれ異なるのでしょうか?小森さんに、水ごとの特徴を教えてもらいました。
▽水道水
「内臓の働きを助ける」「血液をサラサラにする」といった、「水」の持つ効果を期待できます。ただし、水道水には残留塩素のほか、配管から溶け出した有害ミネラルなど、体にとっての不純物が溶け込んでいる可能性があります。そうした不純物を除去するためにも、基本的には浄水器を通してから飲みましょう。
▽ミネラルウォーター
「水」の持つ効果に加え、カルシウムやマグネシウムといったミネラルの効果が期待できます。水+ミネラルには、血流の促進、新陳代謝の活性化といった効果があるので、結果として美肌につながります。
ただし、一般的に市販されているミネラルウォーターには、採取した水に殺菌処理を施し、ミネラルを添加した「ミネラルウォーター」と、天然ミネラルを含んだ状態で加熱処理をせずに作られた「ナチュラルミネラルウォーター」の2種類があります。違いは吸収率。天然ミネラルが体に吸収されやすいのに対し、添加されたミネラルは吸収されにくいのだそう。成分表示ラベルに「ナチュラルミネラルウォーター」と示されているものが、天然ミネラルを含んだものになります。
▽水素水
「水」「ミネラル」の効果に加え、体の酸化(老化)を還元する「抗酸化作用」があります。人は、紫外線、ストレス、農薬などから活性酸素という酸化(老化)物質を体内に作り出しますが、水素分子は活性酸素を水に変える力があるので、老化抑制効果が期待できるのです。
ただし、水素水にも「水に水素ガスを充てんしてパウチしたもの」と、電気分解した水素を水に溶解させる「電解水素水」の2種類が。前者は運搬・開封時に水素が抜けやすいのに対し、後者は高い水素濃度をキープします。水素の効果がより実感できるのは、後者の電解水素水。専用のサーバーや生成器の購入が必要になるので初期コストはかかりますが、一度設置してしまえば、いつでも手軽に水素水が飲めるようになります。
▽炭酸水
炭酸水にも、ろ過した水に炭酸を加えた「人工炭酸水」、天然水に炭酸を加えた「天然水炭酸水」、湧き出した天然炭酸水をそのままパッケージングした「天然炭酸水」の3種類があります。人工炭酸水には「水」の効果、その他2種類には「水+ミネラル」の効果がありますが、炭酸には二酸化炭素が含まれるので、飲みすぎると体の酸化(老化)につながります。一時的な血行促進効果や、空腹時のおなかの満足度を上げるといった作用もあるので、適量を飲むのはOK。とはいえ、二酸化炭素は体からすればあくまで不純物。飲むなら、1日500ml程度までに抑えるのがベターです。
「水だけで健康・美肌になる、ということはないですが、健康・美容に水が欠かせないのも事実です。水道水、ミネラルウォーター、水素水は、順に「グッド」「ベター」「ベスト」といった位置づけで、クオリティが上がるほどに、より健康になっていけるメリットがあります。とはいえ、まずは飲む習慣をつけることが大切。ベストにこだわらず、とっつきやすいところから飲み始めてもらえれば、と思います」。
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■小森さんの整体院「癒し整体院 くつろぎ」