掛け紙にハートを抱いて眠るくまモンが描かれていて愛らしさが伝わってくる。それを取るとプラスチックの容器にニッコリ微笑むくまモンが現れ、子供のキャラ弁のようで、ふたを開ける楽しみが倍増した。米は熊本県産の森のくまさんを100%使用。軟らかめに炊かれたご飯の上に、熊本あか牛を使った牛すき焼きと牛そぼろ煮がのる。それに挟まれた錦糸卵が畑のように彩られていて、どこから食べようか迷うくらいだ。ランチBOXという名だが朝食でも夕食でも十分楽しめる駅弁に仕上がっている。
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牛すき焼きは、味がよく染み込んだあか牛のスライスと、下に隠れるきんぴらささごぼうが、かむほどに味わい深さを演じる。脂身の多い部分の方が、よりうま味を感じた。
牛そぼろ煮は水分の少ない醤油ベースの味で、少し濃いめの味付けのせいか、軟らかめに炊き上げられて相性の良いご飯が進む進む。センターに位置する錦糸卵と一緒に食べると、ちょうどいいあんばいだ。
箸休めのピリリと辛みが走る高菜漬けと、ピンク色のきれいな紅ショウガが、味にも彩りにもアクセントを加えている。
くまモンの弁当箱は遠足に持って行く感じで文字通りランチBOXの雰囲気を醸し出していて、何度も使うことができる。子供の頃を思い出し、ピクニックに行きたい気分になったのは私だけではないだろう。
1200円。鹿児島本線・熊本駅「松栄軒」TEL0996・62・0617