コロナ禍の外出自粛などで、修学旅行、授業、社会人の研修などに採用されるようになったVR技術ですが、ここに来て「お札の印刷工場」として知られる独立行政法人国立印刷局の「展示室」「工場」のオンライン工場見学にも採用され、WEBサイトで無料公開されています。
国立印刷局が、コロナ禍以前まで行っていた現地での実施が困難になり、実写VRコンテンツ制作企業・リプロネクストに制作を依頼し実現に至ったそうです。正直「お札の印刷行程を、ネット公開して大丈夫なのか!?」と心配になりますが、その中身、果たしてどのようなものなのでしょうか。
指定URLにアクセスするだけで「お札の印刷工場」のVR見学がスタート!
使い方は極めて簡単。指定URLにアクセスし、矢印などにしたがって進んでいくのみです。貨幣の歴史やお札の印刷の秘密がわかる「展示室」、お札の印刷工場の様子がわかる「工場見学」とそれぞれURLが異なりますが、まずは「展示室」のほうから見ていきましょう。
相応の苦労をもって実施されたVR撮影
国立印刷局のVR見学コンテンツの制作を請け負ったリプロネクスト担当者の方によると、撮影は「展示室」「工場」双方で丸1日かかったそうです。撮影範囲が360度に及ぶことから「撮影のたびに、撮影クルーや、国立印刷局の担当者の方も機械に身を隠しながら行った」とのことです。また、想像ではいかにも厳しそうな撮影時の入場・退場も「事前申請・現場での細部確認などが行われ、厳格なセキュリティ体制が整備されていると感じました」とも。画期的なVR見学コンテンツですが、裏側では相応の苦労があったそうです。
それでは次に「工場」のほうを見ていきましょう。
リアルよりもWEBやVRのほうが伝わりやすいコンテンツを!
実際に「工場」のVR見学をし意外だったことは、「意外と小さな機械、小さな空間でお札が刷られている」ということ。自国だけでなく世界にも流通する日本の紙幣なので、勝手な想像では、巨大スペースで何台もの機械で刷られているのでは? という先入観がありました。しかし、そんなことはなくごく一般的な印刷工場とそう大差ないようにも見える機械・スペースで刷られていることがとにかく意外でした。
これだけでも十分「へぇ〜」な感想を持ち、同時に現場に行かなくても「行った気分」を感じさせてくれるVR技術に感心するばかりでした。
コンテンツを制作したリプロネクスト担当者の方によれば、同社のVRを使った開発は日進月歩で進捗し、今後よりいっそう役立つコンテンツ作りにつなげたいとも語ってくれました。さらに「コロナ禍により、これまでは『伝えたいけど、伝えられない』情報をサポートする依頼が多かったですが、今後は『リアルよりも、WEBやVRのほうが魅力が伝わりやすいもの』をサービスしていきたいです」とも語ってくれました。
今後さらなる最新技術が反映されたコンテンツの実現にも期待が高まりますが、まずは「お札の印刷工場」のVRでの見学、ぜひお試しください!
◆独立行政法人国立印刷局
展示室 https://my.matterport.com/show/?m=thu6ioACPZz
工場見学 https://cdn.doitvr.com/noshare/gbO9o83vI2iwa7MpdLxVzrFt/