「胸が約5〜6cm沈むように圧迫する」
リアルな心臓マッサージの手法がSNS上で大きな注目を集めている。
心臓マッサージについて「一縷の望みに賭けて、肋骨などを犠牲にしてでも、とにかく心拍を戻すことを優先した決死の圧迫」と語るのは整形外科医でYoutuber、著述家としても活躍するおるとさん(@Ortho_FL)。
おるとさんは以下のように続ける。「日本蘇生協議会(JRC)が作成したガイドラインでは、胸骨圧迫に関して『胸が約5〜6cm沈むように圧迫する』とされています
ちょっと押されただけで身体が5〜6cm凹むのを見たことありますか?ありませんよね?
それくらい力をかけて圧迫を行います
生易しい行為ではありません」
実際の光景を目にした方はおわかりと思うが、心臓マッサージとは一か八かの心肺蘇生を期するためのたいへんハードな処置。おるとさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは
「うちの事業所では
“心臓マッサージに手加減は不要!”
と肋骨折れる位の圧迫でマッサージする様に言っといたら、利用者さんが心停止した時に実践されました。
肋骨折れてました。
小さくて細い方なので特に。
ただ、残念ながら老衰との診断を受け、心臓マッサージで折れた肋骨が痛々しく…」
「心臓マッサージっていう語感が弱いですよね。胸骨圧迫っていう、差し迫ってる感じで伝えないと、こんなことするなんて思わなかったとかいう家族も出てきて、、、、。」
「講習を受けた時に
“アバラを折るつもりで押して下さい、アバラは折れても治りますし”
と言われた覚えが…で講習後
“あなたはやらないで下さい、死にますから”
と言われました」
など数々のコメントが寄せられている。
おるとさんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ(以下「中将」):実際の心臓マッサージでは肋骨骨折など身体にダメージを受ける例は多いのでしょうか?
おると:骨折などのダメージがある場合は少なくありませんが、あくまで救命が第一であると考えられるため、躊躇なく行うことが大切です。
中将:緊急時、医療の素人が心臓マッサージを施す際の注意点についてお聞かせください。
おると:これに関しては、日本赤十字社などが掲載されているものを参照していただく方が良いかと考えます。
※日本赤十字社「心肺蘇生」(https://jrc.or.jp/study/safety/airway/)
中将:ご投稿に対して数々のコメントが寄せられました。
おると:胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行うのは怖いという意見も寄せられていたのですが、対象者の命がかかっており、一分一秒を争うことのため決して躊躇せず行うべきであるということを、より一般の方にも知っておいて欲しいと強く感じました。
■「おるとさん」関連情報
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Twitterアカウント:https://twitter.com/Ortho_FL
ブログ:https://free-doc.hatenablog.com
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読者のみなさんには「怖いからやれない」ではなく、自分が心臓マッサージの施者になり得る時のために、より正確な知識を身につけていただければ幸いだ。ご興味のある方はぜひ日本赤十字社ホームページの「心肺蘇生」の項をご覧いただきたい。