あけくちの下のレシピが真っぷたつ、消費者に不便では? 販売元「アレルゲンや原材料の情報が切れないためです」

竹内 章 竹内 章

“あけくち”の切り込みに沿って、スープの素のパッケージを裂いたら裏面のレシピが真っぷたつに…。子育て中のイラストレーターのオヨネ(@Dq4O4ne)さんが投稿した画像が共感を呼びました。「身に覚えあり」とみられるユーザーが「これ何度も経験ある」「頷きすぎて首もげるわ」などと反応。加工食品には裏面などに原材料、添加物、消費期限、栄養成分など多くの情報が表示されていますが、解決策はあるのでしょうか。販売元に聞きました。 

「キユーピー3分クッキング 野菜をたべよう! チャウダーの素」 (30グラム×2)のパッケージ左上のあけくちを破ったところ、裏面に印刷された作り方部分が無残にも…という画像。この悲劇に5万超のいいねがつきました。「横に開けられる袋にしてほしい」などの改善を求める声もみられました。 

状況を再現すると、「おなかが減った」と騒ぐお子さんに、オヨネさんが袋をビリッしてポイ。「さ〜作るぞ!」と裏面を見て、慌ててごみ箱から紙片を探したそうです。実は小袋にもレシピが書いてあったのですが、気づいたのは分量通り野菜を煮込んで最後にチャウダーの素を鍋に入れる寸前。レシピ真っぷたつは以前にも他社製品であり、冷凍食品にとって最重要データともいえる「500w ○分」部分が記された部分を捨ててしまい、やはりごみ箱をあさる羽目になったそうです。

「完全な私のうっかりですが、無事おいしくチャウダーをいただきました。またやってしまった〜wぐらいのノリだったのですが、みんな同じなんだ、自分だけじゃなくてよかったと安心しました」とオヨネさんは話します。 

食品表示法によると、今回のチャウダーの素のような加工食品を消費者に販売する場合、最大9項目の表示が求められ、▽保存方法 ▽消費期限または賞味期限 ▽原材料名 ▽添加物 ▽栄養成分 などがあります。また、アレルゲンを含む食品の表示については、2001年に義務5品目(乳、卵、小麦、そば、落花生)、推奨19品目で始まり、現在は義務はえび、かにが追加され7品目、推奨は21品目になっています。同法が求める以外の情報の表示やデザインについては、「企業側が判断するもの」(消費者庁)といいます。

原材料やアレルゲンなどの大切な情報とレシピの両方が救われるような表記はできるのでしょうか。今回のSNSの投稿について、販売元のキユーピー(東京都)に聞きました。

―あけくちに従うと、レシピが切れてしまいます。

「2017年にパッケージデザインを変更した際、アレルゲンや原材料が切り取られた場合にアレルギーを持つ方にリスクが大きいとの理由で、あけくちを現在の位置に変更しました。その際、作り方がわからなくなってしまう可能性もあるため、小袋にも作り方を入れるようにしています。本商品は2回分入っているため、2回目にご使用の際にもお客さまに重要な情報が残るようにパッケージにも情報を配置しています」

―今回のような声はこれまでありましたか。

「変更後、今回のような作り方が切れて不便との声を時々いただくようになりました。アレルギーをお持ちの方やユーザーの方にヒアリングしながら、再度、配置を検討しています」

「お寄せいただいた声を参考に、より多くの方に安全で使いやすい商品にしていきたいと思います」と担当者。オヨネさんは「この商品はとてもおいしいので引き続き末長くお世話になりたいと思っています。何かよい改善策が見つかるとうれしいです」と話していました。

■オヨネさんのインスタグラムはこちら→ https://www.instagram.com/o4nemama/                   ■妊活漫画の連載はこちら→ https://esse-online.jp/author?writer_id=164

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