「若気の至り」はもはや過去?若い子ほど「助けて」が言えない…でも、もっと頼っていいんだよ

ハイヒール・リンゴのつぶやき

ハイヒール・リンゴ ハイヒール・リンゴ

 コロナ禍で、中高生を含め、女性の自殺者数が増えている。女性は男性に比べ、パートやアルバイト、派遣などの非正規で働く人が多く、雇い止めに遭って困窮したり、「お家時間」が増えたことでDVや虐待が深刻化したりと、様々な背景があるようです。

「コロナ禍の雇用・女性支援プロジェクトチーム」

 そうした人たちを何とか支えようと、厚生労働省が今年2月、幅広い分野の人を集めた「コロナ禍の雇用・女性支援プロジェクトチーム」を立ち上げ、なんと私もそのメンバーに選んで頂きました。メンバー全員を紹介しきれませんが、中央大学大学院の佐藤教授、NPO法人フローレンス代表駒崎氏、国際政治学者の三浦瑠麗さんや社会学者の古市憲寿さん達のそうそうたる顔ぶれで、最初は「私なんかで大丈夫かな」と正直不安に思いました。でも東京、大阪で情報番組に出演させて頂いていることもあり、「より身近な存在として発信することがリンゴさんのお仕事では?」という有難いお言葉もあって、私は私の立場で、出来ることを精一杯していきたいと思っています。

 ただ、この会議が何せ言葉が難しい!専門用語が飛び交い、付いていくのに必死で、何度も「もう少し分かりやすい言葉で」とお願いする始末。でも、今回、改めて知りましたが、厚生労働省って本当にありとあらゆる分析をし、それを元に例えば電話相談や特例貸付の償還免除などの命を守る対策、困窮対策をしてきているのに、悲しいかな、それが私達一般庶民レベルまでは届いていない。本当に困っている人って、ネットで自分達の事を「生活困窮者」とは検索しないという古市さんのご指摘もごもっとも。

 今の、若い人たちは、私たち世代が思うよりもずっと「恥をかきたくない」と思う気持ちが強いと感じるのです。私のYouTubeチャンネルでも「ガチで洗濯機を買う」「冷蔵庫を買う」という企画にはそれなりの反響があります。自分が店に行った時のために知識を付けておきたいという人が多いのかな、そこで「知らない」という恥をかきたくないのでは、と推測したりします。昔のように「若いから恥をかいてもいい」じゃないのです。

「もし生理用品買えなくても、恥ずかしくて言わない」

 最近話題の「生理の貧困」もそう。私の周囲の若い子に聞いても、そんな経験は「ない」「周りにもいない」という答えばかり。でもしばらく話していると、そのうちの一人が恐る恐る「もし(困窮して生理用品が買えないことが)あっても、恥ずかしくて言わないと思います」。日本は昔から「恥の文化」といわれ、最近それが失われてきたとよく嘆かれますが、その「恥」とは違う、別の意味での「恥の文化」が広がっているような気がするのです。

 そうでなくとも、日本人は困った時に誰かに「助けて」と言える「援助希求力」(この言葉もこのP.Tで初めて知りました)が世界でも異常に低いのだそう。「助けて」と言いにくい、恥ずかしい。それを変えるには教育課程に盛り込むことが何より大切ですが、現状、行政もただ待っているのではなく、外に出て困っている人を見つけに行こう-という取り組みが、このプロジェクトなのです。

 そうなると、相談は電話だけでなくLINEやツイッター、インスタグラムなどSNSツールを充実させるとか、いきなり「困ってる?」と聞くのではなくて「最近どう?」と尋ねるとか、ホームページはもっと読みやすくQ&Aも簡潔に、とか。もっと若い人や困った人たちが気軽に「相談」というか現状を「話せる」事が大切だと痛感しています。

 困窮、DV、虐待、望まない妊娠。一人で抱え込んで迷宮に入り込んでしまう前に、そばまで来て寄り添えたら。誰かに話すことで頭の中が整理されることもあります。皆さん、厚労省も色々考えています。だから、もっと「利用」していい。困ったらちょっと覗いてみて下さい。「もっとあなたを支えたい」「もっと頼って厚労省!」

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【相談窓口】
・厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」
電話0570・064・556(対応時間は自治体により異なる)
https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/
・よりそいホットライン
電話0120・279・338(24時間対応。岩手、宮城、福島県は0120・279・226)
https://www.since2011.net/yorisoi/
・日本いのちの電話連盟
電話0570・783・556(午前10時~午後10時)
https://www.inochinodenwa.org/

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