漬物製造販売の荒井食品(栃木県さくら市)の商品ラインナップの中に異彩を放つネーミングの一品があります。「なすきっといたヨ」。メーカー担当者に話を聞くと、思いがけない裏話がありました。
お堅い名前の中に突然の「ヨ」
「なすきっといたヨ」は2015年4月発売の国産ナスの塩漬けです。
ーー特長は?
「見た目がきれいで、切らずにすぐ食べることができる点です」
ーー確かに容器の中でナスがラインダンスのように美しく並んでいます。
「なす浅漬けを一番おいしく食べられる厚みと、切る角度を追求しました。パックする直前に長なすを切り、1本そのままパックするという製造方法により生まれました」
ーー優しい味ですね。
「従来の漬物とは違って、飽きない味、食べやすい味に仕上げました。1人で1パック食べてしまう方も多いです」
そして目を引くのがネーミングです。「荒井の長なす漬」「国産野菜 浅漬なす」など、少々お堅い商品名の中で「なすきっといたヨ」といきなりのフランクさです。
「今まで弊社で持っていたなす漬に対するこだわりを捨て、“遊び心”と“かわいらしさ”から『なすきっといたヨ』と表現しました」
顧客から「どちらの意味ですか?」
顧客からの反応を尋ねると、商品名に対し「どちらの意味ですか?」という質問が多いことを明かしてくれました。
ーーどちらというのは?
「『ナスをカットしておきましたよ』と『きっとこの場所にナスがいましたよ』のどちらの意味ですか、というお問い合わせです。日本語って難しいなと感じました」
ーー「きっとナスがいたよ」ですか! ちなみに正解は?
「ナスを切っておいたよ、です」
「なすきっといたヨ」は東日本エリアの量販店などで販売中。要望があれば近畿エリアの量販店にも納品可能だそうです…ヨ。