「私ったら可哀想。でも、夫を見捨てず愛しているの」…って、何が言いたいの?職場で遭遇した困った人

島田 志麻 島田 志麻

これは私が以前勤めていた職場での話です。その職場で私は事務職での採用となり、新しい環境に早く慣れようと必死だったのですが、あるとき「おや?」と思うことがあり、そこからモヤモヤすることが増えていきました。

それは業務について知りたいことがあり、同じ部署にいる前任者であるAさんの元へ行ったある日のことです。

業務について質問をしても、のらりくらりとかわされ、結局のところ「よくわからない」という的を得ない返答。Aさんの態度に少し困惑したものの、入社したての私は「マイペースな人なのかなぁ?」と考えていました。

しかし、間もなくしてAさんに対する認識が変わる出来事がありました。

昼休みになり、Aさんの同僚であるBさんとCさんが談笑していたところ、あとから現れたAさんが突然2人に向かって「なんの話して笑ってたんですか?私の話ですよね?」と言ってきたんです。

BさんとCさんは、なにごともないように笑いながら否定していましたが、私はキョトンとするばかり。

(え?突然来て自分の話をして笑ってるんですよねってどういうこと?)

そのあとも、Aさんは2人の話を聞きながら「いいなー。私の夫なんて…」などと、自分はこんなにも不幸だという話題を、誰に聞かれたわけでもないのに続けました。

途中Bさんが「旦那さんを悪く言いたくはないけど、少し距離をおいてみたら?」と言うと「私、離婚する気はまったくないんです~」と返すAさん。

他の日も自分抜きで誰かが話をしていれば「私の話ですよね?」と遠慮なくズケズケと割って入り、なにかと周りを羨む発言をしたあと、対して自分はいかに不幸かと話して同情を誘い、周囲が助言すれば「私は夫を愛しているから」の繰り返し。

(Aさんは一体なにがしたいんだろう?)という疑問が私の胸に渦巻くようになりました。

ある日、Aさんがいない昼休みを見計らって、私はモヤモヤとした疑問をBさんへ打ち明けてみました。すると、「Aさんは前から ”私ったらこんなに可哀想。でも、私は夫を見捨てず愛しているの。偉いでしょう?すごいでしょう?” という気持ちが強いの。いつもあのような調子だから気にしなくていいよ」と苦笑いを浮かべながら教えてくれました。また、仕事についてはただのマイペースではなく、彼女の補佐役が業務を回しているのが実態とのことでした。

その後、Bさんから聞いたこの話を、私は身をもって体験することとなります。担当の業務が違うにもかかわらず気づけば、私はAさんの補佐役をする羽目に。書類は依頼された時期を大幅に過ぎてから渡され、納期は本日中というものばかり。自分が本来担当している業務もあったため、時間配分を事前に伝えて依頼してほしいとお願いをしても聞いてもらえず、退職するときまでずっとこのようなことが続きました。

現在も当時の同僚との付き合いは続いていて、その後の社内について話を聞く機会がありますが、Aさんは相変わらずのようです。

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