新型コロナウイルス禍の中で行われた今年の成人式ですが、京都市の会場では、振袖で着飾った新成人女性の中に花束を抱えている人が多くいることに気が付きました。花束を手に誰かを待っている様子の男性もちらほら。成人式に花束って、そんな慣習あったっけ? 生花販売店「スワガーデン」(京都府京田辺市)に話を聞いてみました。
オーナーによると、以前は保護者や祖父母など親戚が新成人に花束を贈ることが多かったそうですが、2、3年ほど前からカップルや友人同士でプレゼントしたり、後輩が先輩に渡したりするケースが増えているそうです。
成人式のある日、スワガーデンには、普段より若いお客さんが多く訪れるといいます。SNSを見てみると、大小さまざまな花束を持った新成人の写真が次々に投稿されていて、どうやらひそかなブームとなっているようです。
オーナーによると、カップルの男性が女性に花束を渡す場合は、華やかな印象のバラを選ぶことが多いということです。一方、友人同士や先輩後輩といった関係では、男性用はオレンジや黄色、女性用はピンクなど明るく春らしい花が好まれるといいます。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、バレエやピアノの発表会、レストランの開業などのお祝い花がなくなり、スワガーデンも売り上げ減少などの影響を受けているとのことです。そうした中で、成人式という「ハレの日」に花束を贈る若者が多くいることに、オーナーは「うれしいですし、これからも続くといいですね」と話しています。
新型コロナウイルスの感染拡大で、全国には成人式を春ごろに延期した自治体もあります。花束を抱いた新成人の姿がそれぞれの会場で見られるかもしれませんね。